2005年05月23日(月) 08時57分
<職員着服>調査せず放置、被害は拡大 神奈川・鎌倉郵便局(毎日新聞)
神奈川県鎌倉市の鎌倉郵便局(小川宏喜局長、普通局)が昨年11月、「振り込みを頼んだはずの現金が相手の口座に入っていない」という顧客の苦情を受けながらきちんと調査せず、女性職員(23)=懲戒免職=による着服を見逃していたことが22日分かった。職員はその後も着服を続け被害が拡大。日本郵政公社神奈川監査室に調査を求めた顧客に虚偽の説明をし、監査室への通報を妨害していたことも明らかになった。
同局や監査室によると、同市内のNPOの会計担当者2人が昨年11月8日、同局の貯金窓口で、女性職員に約53万円の振り込みを依頼。職員はNPOの振り込み用口座にいったん入金したが、1分後に全額を引き出し着服したという。
その後、郵便局がNPOに「振り込み用の現金が口座にない」と連絡。会計担当者は「現金を預けた」と主張したが、同局貯金保険課長らは「振り込んだ後すぐに引き出し、その場で返した」とする職員の説明をそのまま回答した。今年2月にも「確かに払っております」などと、NPO側に責任転嫁する文書を局長名で出している。
NPO側は11月25日に同監査室に調査を依頼。翌日、同局総務課長が「監査室はそういうことを受けるところではない。こちらで対応する」と事実と異なる説明をした。職員はその後も窓口で他の利用者から預かった現金を着服し、2月までに計5回、計約75万円の着服が発覚。4月に同監査室が業務上横領容疑で横浜地検に書類送検した。
同局は今年3月31日付で局長名の文書をNPOに送り「十分な内部調査を行わないなど反省すべき対応が多々あった」と謝罪、現金を返還した。【内橋寿明】
(毎日新聞) - 5月23日8時57分更新
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