2005年05月18日(水) 00時00分
被害女性 悪徳リフォーム業者の手口語る(朝日新聞・)
適正価格の12倍で契約 怒鳴りつけ、工事を強要 富士見市に住む80歳と78歳の認知症(痴呆(ち・ほう)症)の姉妹が不必要とみられる5千万円以上のリフォーム工事をさせられていたことが発覚したが、狭山市の78歳の女性も一昨年、適正価格の12倍近い約1千万円のリフォーム契約を結ばされた。金融機関の助言で市に相談、被害は最小限に抑えられたが、女性は強引に工事を勧める業者に恐怖心を抱いたという。
木造一戸建てに一人暮らしだった。下水道の点検を装い、30歳ぐらいの男性2人が女性宅を訪れたのは、03年10月末。市の委託業者と思い、点検を頼んだ。「お宅はヘビを飼っているのか。四角い頭が見える。お勝手の排水口から顔を出したら怖いでしょう」と業者の男は言った。驚いた女性が処理を頼むと、「床下を見せてほしい」と言われた。
すると、「湿気で床下が腐り、家を建て替えなければならなくなる」と調湿材を勧められた。「換気扇を入れている」と女性が難色を示したが、「不十分だ」と押し切られ、業者は150枚の調湿材を敷いた。
数日後、さらに50枚を敷きに来た。今度は、「天井裏を見せてほしい」と頼まれた。女性が断ると、「見せてもらわないと、工事が進まない」と男は怒鳴ったという。「若い男2人だから怖かった。怒鳴られたし、根負けですよ」
男は「乾燥しているから柱にひびが入っている。調湿材を入れるといい」と、天井裏に調湿材を180枚敷き、床下にも100枚敷いた。
計480枚の調湿材の請求額は、消費税込みで1008万円。「あぜんとした。『悪徳商業にひっかかったな』と思った」と女性。事前に見積もりの説明は受けていなかったという。
仕方なく、まず420万円を支払った。残りの支払いのため、預金の解約を相談した金融機関職員は、市消費者センターへの相談を勧めた。
適正価格は約85万円だった。同センターを交えた業者との交渉の結果、業者が、適正工事適正価格との差額を女性に返金することで決着した。
「金融機関の人の助言がなかったら破産していた。年寄りが叫んでも、どうにもならなかった」と女性は振り返った。
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http://mytown.asahi.com/saitama/news02.asp?kiji=6612
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