2005年05月18日(水) 13時11分

＜出版社捜索＞「アガリクス、がんに効く」新たに２社など（毎日新聞）

　「アガリクスはがんに効く」と本で宣伝した「史輝（しき）出版」（東京都港区）の薬事法違反（未承認医薬品の広告）事件で、警視庁生活環境課は１８日、「ライブ出版」（世田谷区）と「青山書籍」（港区）の出版社２社や健康食品製造会社「応微研」（山梨県玉穂町）など８カ所を同法違反容疑で家宅捜索した。同課は史輝出版社長（５１）が、ライブ出版と青山書籍の実質上の経営者とみており、本に患者の体験談を掲載する商法の解明を進める。
　調べでは、史輝出版は昨年、健康食品の「即効性アガリクスＳ」などが「がんに効く」と効能をうたった本２冊を出版し、健康食品販売会社「ミサワ化学」（新宿区）につながる電話番号を問い合わせ先として掲載、宣伝した疑い。
　ライブ出版と青山書籍は今春、キノコの一種「メシマコブ」を成分とする健康食品について「がんに効く」と患者の体験談を載せた本を相次いで出版。史輝出版社長が２社の役員やオーナーになっていた。２社の発行する書籍の編集作業などは史輝出版の事務所で行われていた。
　同課は４月、史輝出版、ミサワ化学などを同法違反容疑で家宅捜索。両社の関係についても調べている。
　患者の体験を掲載した本は、健康食品購入を勧める「バイブル本」と呼ばれる。バイブル本を使った商法を巡っては、各地の消費生活センターに「体験談が信じられない」などの苦情が寄せられており、厚生労働省が昨年５月、出版社側に本から健康食品会社の電話番号を削除するよう行政指導した。だが、その後、本のしおりに電話番号を記すケースが相次ぐなど、いたちごっこが続いていた。【合田月美】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000035-mai-soci