2005年05月16日(月) 09時46分
南部鉄器、博多人形…「地域ブランド」要件緩和へ(読売新聞)
経済産業省・特許庁は、夕張メロン、西陣織など、これまで一部に限られていた地名と商品名を組み合わせた「地域ブランド」商品の本格的な振興に乗り出す。
従来は厳格だった商標登録の要件を緩める改正商標法案が、今国会で審議されており、近く成立する見通しだ。早ければ2006年中に改正法によるブランド第1号がお目見えしそうだ。
現行の商標登録制度では、地域ブランドとして商標登録されるには、〈1〉既に全国的な知名度があり、特定の事業者の商品であることがはっきりと区別できる〈2〉そうでない場合は、事業者を特定できる絵やマークを付ける——など厳しい要件を義務付けてきた。
地域ブランド商品には特産品が多く、地域全体ではぐくんだ財産という性格が強いため、なるべく特定の団体がブランド商品を独占しないようにしてきたからだ。ただ、新たな商品が全国的な知名度を得るには時間がかかり、その間に類似商品が出回ってしまうなどの課題もあり、特許庁では法改正を進めることにした。地域経済の活性化を側面支援する狙いもある。
改正法案のポイントは、商標登録の要件となる知名度の範囲を、「複数の都道府県に及ぶ程度」に狭くし、より早い段階で登録できるようにする点だ。登録申請できるのは事業協同組合や農業協同組合に限られるが、地域の特産品などを町おこしの材料として売り出すのに有効だ。
しかし、近隣地域で複数の事業者が同じブランドを使用している場合、登録で先を越された事業者は地域ブランドが使えなくなるケースも出てくる。
特許庁によると、現在、岩手県の「南部鉄器」、福岡県の「博多人形」、北海道の「十勝川西長いも」などが商標登録を希望しているといい、改正商標法による登録ブランドとなる可能性がある。
(読売新聞) - 5月16日9時46分更新
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