2005年05月09日(月) 18時14分
融資詐欺、創価大学長印も偽造…みずほ、確認せず9億(読売新聞)
架空の創価学会関連施設の建設計画を巡る巨額詐欺事件で、逮捕された詐欺グループが、架空の創価大学学生用マンション建設計画でみずほ銀行支店から融資を受けた際、偽造した創価大学学長名の「覚書」を示していたことが9日、警視庁捜査2課と府中署の調べなどで分かった。
みずほ銀は、この覚書の真偽を創価大側に確認する前に、融資を実行していた。
同事件ではこれまでに川村克彦容疑者(53)ら6人が逮捕されているが、新たに1人が逮捕され、グループの逮捕者は計7人となった。
捜査2課の調べによると、グループは2002年、創価大の学生用マンション建設名目で、みずほ銀国分寺支店から4億1500万円の融資を受け、八王子市谷野町の土地(約4200平方メートル)を購入。同年中に、さらに5億5000万円の融資を受け、同市暁町の土地(3200平方メートル)も購入していた。
グループは融資を受ける際、創価大の学長が川村容疑者の姉の林敬子容疑者(60)あてに出したとする虚偽の覚書2通を、同支店に示していた。覚書は「学生用マンションを大学が借り上げる」という内容で、谷野町の物件については「月500万円で借り上げる。借り上げ期間は10年間」などと記され、暁町の物件についても同様の内容で「月600万円」としていた。覚書には偽造の学長印が押されていた。
グループは、学生用マンションの融資については返済を続けていたが、03年11月になって「創価学会の迎賓館を建設する計画がある」と別の架空話をもちかけ、1億4000万円をだまし取っていた。グループは「迎賓館を運営する自然食品販売会社は、創価学会の関連企業。学会の関連会社の中で中核と位置づけられている」と虚偽の説明もしていた。
一方、調べによると、みずほ銀国分寺支店は00年1月から、林容疑者に融資を行っていた。学生用マンションも融資先は林容疑者になっており、これらも含め、グループ全体への融資総額は約15億円に上るという。一部はすでに返済されており、捜査2課で、詐欺容疑として立件できる融資の特定を進めている。
田代康則・創価大理事長は「本学が築いてきた社会的信用を悪用した卑劣な行為に強い憤りを感じる」とコメントしている。
(読売新聞) - 5月9日18時14分更新
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