2005年05月07日(土) 16時25分
サイバー犯罪:切り札、民間出身捜査官が活躍−−記録解析し検挙に貢献 /千葉(毎日新聞)
◇不正アクセス/ネット詐欺、記録解析し検挙に貢献
コンピューターへの不正アクセスなどの「サイバー犯罪」が増える中、専門知識を持つ「サイバー犯罪捜査官」が活躍している。システムエンジニアなどの資格を持つ民間出身者が大半を占める。通信記録の解析などを行い、犯人を突き止める。県警は「サイバー犯罪の切り札」と彼らに大きな期待を寄せている。
「身に覚えがない有料サイトの請求書が送られてきた」——。県警本部9階のサイバー犯罪対策室には日々、インターネット犯罪に関する相談が寄せられる。同室によると、04年の相談件数は759件。検挙数は34件と過去最高を記録し、依然増加傾向にあるという。 県警がサイバー犯罪捜査官を初めて配置したのは8年前の97年。システムアナリストやソフトウエア技術開発者など専門資格を持つ民間人で、不正アクセス▽ネット詐欺▽迷惑メール——など多種多様な「サイバー犯罪」の検挙に貢献してきた。
「見えない相手との頭脳戦。常に犯罪手法の練り直しに迫られます」と語るのは「サイバー犯罪捜査官」第1号として97年に赴任した県警生活経済課警部補の冨田豊さん(38)。捜査手法の「手の内」は明かすことは出来ないというが、「不正アクセスが起きた場合、プロバイダーにかけあいデータを証拠として保全、解析し、被疑者と思われる接続先を突き止めます。犯人に分からないように時間をかけて慎重に解析を進めます」とその一端を明かす。
サイバー犯罪の手口は多様化の一途。携帯電話の有料サイトなどをクリックした利用者に料金請求を繰り返す「ワンクリック詐欺」、銀行等の企業からのメールを装い個人の金融情報を入手する「フィッシング詐欺」などの手法も出てきた。プリペイド携帯など「足」の付きにくい道具を使う手口も多くなってきたという。
県警は4月に2人増員し、計6人の捜査官が日々サイバー犯罪の撲滅に挑んでいる。冨田さんは「サイバー犯罪捜査といっても張り込みや聞き込みもする。根本にあるのは犯罪を憎む気持ちです。今後はサイバー犯罪捜査官の連携を図り、検挙率を上げていきたい」と語る。【神澤龍二】
5月7日朝刊
(毎日新聞) - 5月7日16時25分更新
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