2005年05月06日(金) 20時21分
トレンドマイクロ、パターンファイル提供サイクルを当面「月、水、金」に変更(ITmediaエンタープライズ)
トレンドマイクロは、平日(米国日時)は毎日更新するとしていた従来のウイルスパターンファイル配信サイクルを、暫定的に月、水、金の週三回(+緊急アップデート)に変更すると発表している。
この変更は「大型連休期間(4/29〜5/8)におけるトレンドマイクロ製品のパターンファイルアップデートに関するご案内」という一般サポート情報の中で明らかにされたもの。もともとはタイトルが示すとおり、連休中のパターン更新トラブルを避けるための措置として、4月21日に公開された情報だ。
だがその直後、人為的ミスによるパターンファイルの不具合でパソコンが利用できなくなるというトラブルが発生。トレンドマイクロはこの事態を踏まえ、パターンファイル作成プロセスの見直しをはじめとする対策に追われた。その一環かどうかは不明だが、上記の文書は4月27日に訂正され、その時点で提供サイクル変更の文面が追加されたようだ。
トレンドマイクロでは今年2月22日より、パターンファイルの毎日更新を開始した。これはマカフィーによる毎日更新(2月15日発表、2月25日より開始)と前後するもので、ライバルの変更に合わせたものととらえることができる。
毎日更新の実施に伴い、ウイルスの誤検出もいくつか発生しており、この変更が現場へのしわよせになったのではないかという指摘もあった。だがトレンドマイクロはその説を否定している。
とは言うものの、件のサポート情報を見る限り、現場が検証プロセスの増加をこなせるかは不明のようだ。同社はこの情報の中で、ウイルスアラート発令などの緊急時を除き、4月29日よりパターンファイルのリリースを月、水、金の週三回に変更する旨を明らかにした。また「プロセス改善の結果に問題が無いと判断いたしました時点(5月中旬を目処)で、速やかに通常のリリースサイクルの体制を整え」るとしており、これが一時的な変更であることを強調している。
ちなみに、最近のトレンドマイクロの通常パターンファイルの更新状況は以下の通りとなっている。
パターン番号 リリース日
2.590.00 2005/4/20
2.592.00 2005/4/21
2.594.00 2005/4/22
2.596.00 2005/4/22
2.598.00 2005/4/23
2.600.00 2005/4/26
2.602.00 2005/4/27
2.604.00 2005/4/27
2.606.00 2005/4/29
2.609.00 2005/5/2
2.611.00 2005/5/2
2.613.00 2005/5/4
Pattern 更新日時(現地) 配信タイプ
2.590.00 04/20 13:43:35 (GMT -08:00) New Malware Threat
2.592.00 04/21 12:36:41 (GMT -08:00) Regular Release
2.594.00 04/22 14:01:24 (GMT -08:00) Regular Release
2.596.00 04/22 17:15:58 (GMT -08:00) New Malware Threat
2.598.00 04/23 13:48:03 (GMT -08:00) Regular Release
2.600.00 04/25 10:40:45 (GMT -08:00) Regular Release
2.602.00 04/26 12:37:36 (GMT -08:00) Regular Release
2.604.00 04/27 02:18:44 (GMT -08:00) New Malware Threat
2.606.00 04/28 15:56:38 (GMT -08:00) New Malware Threat
2.609.00 05/01 04:35:19 (GMT -08:00) Regular Release
2.611.00 05/02 11:04:51 (GMT -08:00) New Malware Threat
2.613.00 05/03 07:12:32 (GMT -08:00) Regular Release
以降、05/06 13:00まで更新なし - -
この時期は緊急配信が多かったこともあり、結果的に毎日更新は崩れていない。とは言うものの、体制変更が定着するまで、パターンファイルの配信サイクルは確かに変化しているようだ。
またアナウンスはないのだが、従来、正規配布のパターンファイルには偶数が、プレリリース版に当たるControlled Pattern File Release(CPR)には奇数の番号が用いられていたのが、5月に入ってからは正規パターンの中に奇数も混じるようになった。逆に、4月の段階でCPRに偶数の番号が用いられているケースもあった(トレンドマイクロによると、この措置は感染力の高いウイルスへの緊急対応を優先した結果という)。
残念なのは、パターン更新サイクルの変更という大きな内容を含む割に、この件のアナウンスは小さく、周知されているとは思いがたい点だ。「すべての情報をオープンにするつもり」という同社の発言どおり、情報を錯そうさせないためにも、変更点は分かりやすく提示してほしいと感じる。
http://www.itmedia.co.jp/enterprise/ (ITmediaエンタープライズ) - 5月6日20時21分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050506-00000015-zdn_ep-sci