2005年05月04日(水) 14時02分
高速回復運転が常態化、車掌「異常とは思わず」(読売新聞)
JR福知山線の事故で、脱線した快速電車に乗務していた車掌(42)が兵庫県警捜査本部(尼崎東署)の事情聴取に対し、事故直前の状況について「速いと思ったが、いつものように(ダイヤの遅れを取り戻す)回復運転していると思い、異常とは思わなかった」と証言していることが3日、わかった。
県警は、高速の回復運転が常態化していたことを裏付ける証言として重視、JR西日本の運行管理の実態を詳しく調べる。
調べや同社の説明によると、直前の停車駅・伊丹駅から現場まで4・5キロ。この間、二つの緩やかなカーブの後、現場のカーブまで制限速度120キロの直線が2・8キロ続いており、車掌らは県警の事情聴取に「福知山線の運転士は遅れが出た時、ここで回復運転することは、よくあること」などと説明している。
快速電車は伊丹駅で40メートルオーバーランし、バックして乗客を乗り降りさせたため、定刻より1分30秒遅れて発車。車掌は高見隆二郎運転士(23)(死亡)と専用電話で口裏を合わせて、新大阪総合指令所に「8メートル行き過ぎた」と虚偽報告した。その後、乗客への説明、おわびに追われるなどし、「(最後尾車両の車掌席にある)速度計を見る暇もなかった」と話しているという。
車掌は事故後、不眠などを訴え、入院。県警は容体を見ながら事情聴取を続け、乗務中の高見運転士に変わった様子がなかったか調べている。
(読売新聞) - 5月4日14時2分更新
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