2005年04月28日(木) 16時00分

今別町の保険金殺人：「おやじの命で借金返そう」−−公判で被告の長男　／青森（毎日新聞）

　今別町今別の無職、能戸雅信さん（当時６０歳）が０４年１０月、多額の保険金をかけられて殺害された事件で、殺人などの罪に問われた妻とよ子（６１）、長男雅人（３２）の２被告の公判が２７日、青森地裁（高原章裁判長）で開かれた。雅人被告は被告人質問で「子どものころからおやじを嫌いだった。借金返済ばかりが頭にあり、おやじの命で借金を返そうと思った」と述べた。
　公判で雅人被告は、共犯者の工藤英二被告（４３）＝同罪などで公判中＝から架空の事業話を持ちかけられ、返済する必要のない借金約１億７０００万円を背負わされたいきさつを説明した。
　能戸さんに生命保険をかけた理由については「工藤被告が恐ろしくて誰にも相談できず、保険金で借金返済を持ちかけられた」と話した。
　さらに、能戸さんが藤崎町の河川敷で工藤被告に鉄パイプのような物で暴行を受けていた際の心境を「下手をすれば父は死ぬと思ったが、当時は借金苦で生命保険のことばかり考えていた。人間的な感情を失っていた」と反省した。【村松洋】

４月２８日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050428-00000039-mailo-l02