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2005年04月23日(土) 00時00分

LANトラブル相次ぐ ウイルス対策ソフト不具合 東京新聞

 JR東日本や大阪市営地下鉄、朝日新聞社、読売新聞社、共同通信社などで二十三日午前、端末から社内LANシステムへの接続ができなくなるなどのトラブルが相次いだ。チケットの発行などに大きな影響はなかった。各社が原因を調べているが、トレンドマイクロ社のウイルス対策ソフトの関連でトラブルがあった可能性が高いという。

 JR東日本は、社内LANに加え直営の旅行代理店「びゅうプラザ」でも障害が発生。同社は「びゅう」を訪れた客に、各駅の「みどりの窓口」で切符を購入するよう案内した。JR旅客六社の指定券を予約・発券するためのコンピューターシステムに異常はなく、列車の運行に影響はなかった。

 社内LANのシステムは午前八時ごろからダウン、同日昼ごろ復旧した。共同通信は午前八時二十分ごろから、記事配信システムに障害が発生、正午前に復旧した。この間、通常の記事配信ができなくなり、重要記事はファクス配信に切り替えた。ウイルス対策ソフトを更新した際、端末に高い負荷がかかり、作動しなくなったという。

 朝日新聞東京本社では、社内LANを使った記事編集システムに一部のパソコンから接続できなくなった。正常に作動している端末で編集作業を続け、紙面発行に影響はなかったという。大阪本社でもトラブルがあった。東京本社広報部は「(トレンドマイクロ社の)ウイルスバスターを更新したパソコンに不具合が起きているようだ」と話している。

 読売新聞東京本社では午前九時ごろ、業務に使用しているパソコンの一部に障害が出た。新聞製作に影響はない。日本経済新聞東京本社販売局でパソコンの処理スピードが遅くなったとの情報があり、確認を急いでいる。信濃毎日新聞でもパソコンにトラブルが発生、ウイルス対策ソフトが原因らしい。首相官邸や内閣府、外務省などにはトラブルはなく、金融機関のATMへの障害報告もないという。

 今回のLANトラブルについて、システムに詳しい関係者は「二十三日朝に配布された最新版のウイルス駆除ソフトに不具合があった」と推測している。パソコン端末などが動かなくなるなどの症状について「ソフトを再起動した際に、このプログラム作動にパソコンのほとんどの処理能力が奪われ、他のプログラムを同時に動かすことができなくなった」と説明する。

 関係者は「これほど大規模なシステム障害を招くミスは初めて」とみている。


http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050423/eve_____sya_____007.shtml