2005年04月22日(金) 00時00分

「専門医」資格を取り消し 東京医大、養成施設指定も （中日新聞）

　東京医大病院（東京）で同じ医師が手術した心臓弁膜症の患者が相次いで死亡した事故を受け、３学会でつくる「心臓血管外科専門医認定機構」（北村惣一郎代表幹事）は２２日までに、この医師の専門医資格を取り消す処分を決めた。同病院の専門医養成施設の認定も取り消し、改革案を提示するよう求めた。

　２００２年に同機構の専門医制度が始まって以来、取り消し処分は初めて。同機構は「制度の信頼を著しく損ない、大変遺憾」とし、厳しい処分を選択した。厚生労働省医政局総務課は「医療事故で専門医資格を取り消したケースは聞いたことがない」としている。

　同機構によると、処分は１９日に開いた委員会で決めた。心臓血管外科専門医の資格取り消し後は再研修を勧告し、再認定申請はできる。この医師の上司に当たる第２外科主任教授に同機構委員の辞任を勧告、教授は２０日付で辞任した。

　この医師は０２年１０月—０３年３月に執刀した手術で患者３人が死亡。昨年１月に助手として参加した手術でも患者１人が死亡した。

　東京医大病院の外部調査委員会は３月「執刀医らの技術や経験の不足が結果に結び付いた。医療水準は平均値からみてかなり低い」と指摘。同病院はこれを受けて「医療事故」と認めた。

http://www.chunichi.co.jp/00/detail/20050422/fls_____detail__050.shtml