2005年04月19日(火) 02時00分
厚労省、「乳幼児突然死」で初の診断基準(読売新聞)
元気な赤ちゃんが寝ている間に急死する「乳幼児突然死症候群(SIDS)」について、厚生労働省の研究班は18日、初めての統一的な診断基準を作成した。窒息死や虐待死がSIDSと誤診されるのを防ぐため、SIDSの診断条件に解剖の実施を盛り込んだ。
◆「虐待隠れみの」防止へ◆
新診断基準では、2歳未満とされていた対象年齢を1歳未満に引き下げた。
その上で、〈1〉SIDSの診断条件に解剖の実施を盛り込み、未実施の場合や死因の特定に至らなかったケースは、死因の種類を「不詳」とする〈2〉窒息死や虐待死でないことは法医学的な証拠に基づいて判断する〈3〉窒息死とするにはベッドのすき間に頭が挟まれるなどの物理的状況が必要で、単にうつぶせだったというだけでは不十分——とし、SIDSの「疑い」という不確実な診断が行えないよう定めた。
SIDSは、主に睡眠中に起こり、発生頻度は4000人に1人。生後2か月から半年に多く、2003年は244人、02年は285人の死亡が確認され、乳幼児の死因の3位だった。
両親の喫煙やうつぶせ寝などでリスクが高まるとされているが、原因が特定されていないため、保育園などでの窒息死や虐待死の隠れみのにされていると指摘されていた。 厚労省の診断基準に対し、「赤ちゃんの急死を考える会」(森岡広茂会長)のメンバーはこの日、同省で記者会見し、「解剖や死亡状況の調査を盛り込んだ点では一定の評価ができるが、窒息死の定義を限定しすぎており、その分SIDSの診断が安易に増えてしまう危険がある。さらに見直しが必要だ」と訴えた。
(読売新聞) - 4月19日2時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050418-00000014-yom-soci