2005年04月16日(土) 07時04分
業務に不要な交換ソフトが感染 湯沢の情報流出(河北新報)
秋田県湯沢市の業務用パソコンから、市民約1万1000人分の個人情報が流出したのは、担当の男性職員が業務に必要ないファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を使い、ウイルスに感染したのが原因だ。個人情報保護法が1日に施行された直後だけに、専門家は「担当者を処分するだけでは、再発を防げない」と、組織の情報管理体制そのものの見直しを求めている。
男性職員がパソコンで使っていた「ウィニー」は、ユーザー同士が保有する映像や音楽などのデータを共有、交換できるソフトだ。だが、便利さと裏腹に情報管理の面で危うさも露呈している。京都府警で昨年3月に発覚した捜査関係記録の流出と、同年4月の陸上自衛隊の隊員住所などの流出も、ウィニーの利用が原因だった。
秋田県情報企画課は「自治体業務でファイル交換ソフトは必要ないはずだ」と役所のパソコンでのウィニー使用を疑問視する。
「企業情報漏洩(ろうえい)防止マニュアル」の著書があるキヤノン電子(埼玉県秩父市)の酒巻久社長は「危険なソフトだと分かっているのに職場に持ち込んだ職員の倫理観の欠如と、それを放置していた組織の両方に問題がある」と指摘する。
その上で「職場のパソコンのセキュリティー強化とともに、職員の倫理面の再教育の徹底が必要だ」と警鐘を鳴らしている。
(河北新報) - 4月16日7時4分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050416-00000009-khk-toh