2005年04月16日(土) 16時32分
外国為替証拠金取引:規制控え被害相次ぐ 都が注意呼びかけ /東京(毎日新聞)
◇04年度、相談倍増630件
トラブルの続発で今年7月から法規制が導入されることになった金融商品の一種の「外国為替証拠金取引」で、規制前の“駆け込み”とみられる被害が相次ぎ、都消費生活総合センターは「緊急被害情報」を出して注意を呼びかけている。
外国為替証拠金取引は、一定の証拠金(保証金)を仲介業者に預け、数倍〜数十倍の外貨を売買する取引。為替の変動によって大きな利益が出る場合もある一方、巨額の損失が出ると追加金を求められるなどリスクも大きい。
金融知識のない消費者が十分な説明もないまま契約し、被害を訴える例が急増。刑事事件にもなるなど問題化し、昨年12月に改正金融先物取引法が成立した。これに伴い、訪問・電話勧誘の禁止▽経験や知識が不十分な人に不適当な勧誘をしない▽自己資本規制比率の届け出——など、厳しい規制がかけられることになった。
しかし、7月の施行までの周知期間中も、センターへの相談は減らず、04年度は03年度の2倍近い約630件の相談が寄せられた。「法規制をクリアできない業者が、導入を前に最後の荒稼ぎをしたり、計画倒産をするなどトラブルの増加が懸念される」と危機感を募らせている。
相談内容をみると、証拠金の平均は500万円超。12%が1000万円以上で、1億円以上を支払った人もいる。相談者の7割が女性で、60歳以上の高齢者が6割を占める。「外国に貯金するようなもの」「金利が格段に高い」などと、一般的な外貨預金を装って勧誘する例が多いという。
公設市場がないため、業者が実際に売買をしたのか、いくらで取引したのかもはっきりしないまま、損失補てんを求められるケースもある。解約を求めても応じなかったり、業者と連絡が付かず、精算不能に陥った例もあった。
センターでは「倒産されてしまうとお手上げ。新たな契約は絶対にせず、取引している場合はなるべく早く精算をした方がいい」と呼びかけている。【猪飼順】
4月16日朝刊
(毎日新聞) - 4月16日16時32分更新
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