2005年04月15日(金) 16時25分
千葉市・個人情報漏えい:抗議書提出 住民、市に不信と怒り /千葉(毎日新聞)
◇「事業推進に加担」
千葉市緑区の産業廃棄物処分場建設を巡り、市職員が反対住民の個人情報を川崎市の産廃業者に漏えいした問題で、住民側は14日、市に抗議書を提出後、市役所内で会見し、「明らかに保護されなければいけないもので、市は事業推進に加担したようなもの。市の対応には不信感でいっぱいだ」と怒りをぶちまけた。また、鶴岡啓一市長は定例会見で「貴重な個人情報が漏れ、ご迷惑をおかけした」と陳謝した。
住民らによると、業者は、漏えいされたリストの6人に対し今月6〜12日、「エゴの反対は受け入れない。廃棄物と向き合わなければ経済活動がとまってしまう」などとする文書を宅配便で送ってきたという。住民の一人の女性(53)は「恐怖さえ感じた」と話した。
市によると、リストを業者にファクスした産業廃棄物指導課の男性係長(53)は6日、上司の同課長に報告。同課長は8日、環境管理部長に報告したものの、情報は同部長止まりだった。鶴岡市長は14日に初めて聞いたといい、「隠ぺいする気はなかったと思うが、そう疑われても仕方がない」と語った。
リストは同区の農業委員から市農業委員会事務局を経て同課に届いた。事務局の説明では、リストは所管課である同課の係長に渡しただけで、その際、事務局の男性係長(50)は「個人情報なので取り扱いに注意してほしい」と伝えたという。一方で、同課の係長は業者に対し、「説明会を求める要請が農業委員からあったので、リストをファクスする」などと説明したという。
しかし、実際に誰がリストを業者に渡すことを依頼したかなどについては、明らかになっていない。1日の市個人情報保護条例の改正に伴い、市は同日、個人情報保護の徹底を文書で通知したばかり。問題発生から1週間以上たっても流出経緯さえはっきりしておらず、市の調査能力が問われそうだ。
業者は「社長が外出中のためコメントできない」としている。【山縣章子】
4月15日朝刊
(毎日新聞) - 4月15日16時25分更新
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