2005年04月15日(金) 16時55分
貝毒:志摩で養殖「ヒオウギガイ」から検出−−県が生産者に出荷自粛要請 /三重(毎日新聞)
志摩市の立神(たてがみ)浦で養殖されていた二枚貝「ヒオウギガイ」から、まひ性の貝毒が検出され、県水産室は14日、周辺海域でヒオウギガイを養殖している生産者に対し、自主的に出荷をやめるよう要請した。同室によると、これまで人的被害の報告はないという。
県が8日に実施した定期検査で、立神浦のヒオウギガイから基準値の2・9倍(1グラム当たり11・6MU)のまひ性貝毒が検出された。貝毒は、貝が毒素を持った植物プランクトンを食べることで蓄積される。
自主規制の対象となったのは南島町、南勢町、志摩市の沿岸から英虞湾一帯の海域。県は、同海域の2漁協を通じ、生産者に出荷の自主規制を求めるとともに、8日以降に出荷された可能性のあるヒオウギガイを回収するよう漁協に指示した。県は今後、週1回検査し、3回連続で貝毒が基準値を下回った時点で、規制を解除する方針だ。
県の調べでは、まひ性貝毒による出荷の自主規制は今年に入って宮城、長崎、熊本県などで行われており、今回が17例目。
MU(マウスユニット)は、貝の毒性を表す単位で、農林水産省の基準によると、1MUはマウスに投与後、15分で死亡する量。人の致死量は最低3000MUで、今回のケースでは10個程度に相当するという。【鈴木顕】
〔三重版〕
4月15日朝刊
(毎日新聞) - 4月15日16時55分更新
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