2005年04月15日(金) 03時09分
年金の通帳預かり違法融資 改正法で初摘発(産経新聞)
年金を担保に、高齢者に違法な貸し付けを行っていたとして、警視庁生活経済課は十四日、貸金業法違反などの疑いで、貸金業「シルバーステーション」(東京都渋谷区)従業員、菅原秀喜容疑者(42)=国分寺市=を逮捕し、経営者の浅見潤容疑者(38)=住所不詳=を指名手配した。同社は事務所設立から一年半で約五千二百万円を売り上げ、被害者は全国で約百人に上るとみられる。
昨年十二月の同法改正で、年金での返済を目的とした通帳などの保管を禁じる罰則が盛り込まれた。法改正後の摘発は初。「年金担保被害対策全国ネットワーク」によると、ヤミ金業者が年金証書や通帳などを預かり、不正に金を引き出す被害はここ二、三年増加している。
調べでは、菅原、浅見両容疑者は、独立行政法人「福祉医療機構」(東京)の年金担保融資を紹介。今年一月から三月までに、立川市の男性(61)ら七人に貸し付ける際、返済に利用するため、融資が振り込まれる通帳やキャッシュカードを預かった疑い。同社は、名簿業者から入手した年金受給者名簿を利用し、ダイレクトメールや電話で勧誘していた。
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年金担保融資 年金受給者に対し、年金を受ける権利を担保に医療費など必要な資金を融資する制度。福祉医療機構が実施している年金担保融資制度は約30万人が利用している。悪質な貸金業者から年金受給者らを保護するため、政府は昨年12月に貸金業法を改正。業者による通帳の保管などに対して、1年以下の懲役または300万円の罰金を科すことが盛り込まれた。
(産経新聞) - 4月15日3時9分更新
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