2005年04月14日(木) 20時44分
年金受給者の通帳担保に高利貸し初摘発、経営者を手配(読売新聞)
年金を受給している高齢者の預金通帳などを担保に取って、高金利で金を貸し付けていたとして、警視庁生活経済課は14日、東京都渋谷区の貸金業「シルバーステーション」の従業員を貸金業規制法違反(預金通帳等の保管制限)と出資法違反(高金利)の疑いで逮捕、同社経営者を同容疑で指名手配した。
年金受給者の通帳などを担保に取る行為に罰則が盛り込まれた改正貸金業規制法(昨年12月施行)による摘発は全国で初めて。同課では、被害者は約100人、被害総額は5000万円を超える可能性もあるとみて余罪を調べている。
逮捕されたのは、国分寺市東元町4、同社従業員菅原秀喜容疑者(42)。指名手配されたのは、住所不詳、同社経営浅見潤容疑者(38)。
調べによると、2人は、昨年6月ごろから客として同社に来た大田区内の無職女性(71)ら6人の高齢者に対し、年金を担保にして独立行政法人福祉医療機構から金を借りるよう指示。同機構からの融資が振り込まれる口座の通帳やキャッシュカードを預かって、今年2月上旬までに12回にわたって、法定金利の6・68〜22・16倍にあたる違法利息計約315万円を口座から引き出すなどした疑い。
浅見容疑者らは一昨年12月に同社を設立、年金受給者の名簿をもとに「年齢は問いません」などとうたったダイレクトメールを送りつけて客を集めていたという。
改正貸金業規制法の施行後、都庁の相談窓口などに同社に関する苦情が多数寄せられ、同課などで捜査していた。
今年3月に同社を捜索した際、客に関する資料の大半は処分されていたが、逮捕された菅原容疑者の供述などによると、同社は1か月あたり平均400万円余りの違法利息を得ていたという。
(読売新聞) - 4月14日20時44分更新
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