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2005年04月13日(水) 15時37分

“洗脳”解放 少女たち、徐々に感情戻る 牧師暴行 新たな相談も産経新聞

 婦女暴行容疑で逮捕された宗教法人「聖神中央教会」(京都府八幡市)の代表、永田保容疑者(61)=本名、金保=から性的被害に遭った元信者の少女らに対し、「被害者の会」代表の村上密牧師によるカウンセリングが進んでいる。カウンセリングを受けている被害者は現在約十人。少女たちの踏みにじられた心は、「神格化」された永田容疑者のマインドコントロールから解かれ、徐々に元に戻りつつある。
 村上牧師が被害少女に初めて会ったのは今年一月。少女の視線は不信感をあらわにし、表情はこわばっていた。永田容疑者から「ほかの教会牧師と話をすると、地獄に落ちる」と“洗脳”されていたからだった。
 「性的被害のカウンセリングを行う前に、まず宗教的なマインドコントロールから解き放つことが先」と、永田容疑者が唱えた「悪いことが起きるのは悪霊のせいだ」などとする教義の誤りを正し、恐怖心から解放することから始めた。やがて、少女たちからはほおの緊張感が取れ、笑顔が戻るようになっていった。
 今月六日、「微笑」を浮かべながら逮捕される永田容疑者の映像がテレビで流れた。少女たちは口々に「なぜ笑っているのか」「見えを張っている」と嫌悪感をあらわにした。
 村上牧師は「ちゃんとした反応をしていると思う。同情ではなく、悪い人としてみている。少女たちに感情が戻りつつある」と、安堵(あんど)の表情を見せる。それでも性的被害のケアはこれから。村上牧師は週内にも京都府庁を訪問して専門家の協力を求める考えだ。
 一方、村上牧師の教会では被害を訴える電話が続いている。「新たな相談は数件あり、成人女性も含まれる。中には引きこもってしまった人もいる」という。逮捕から数日たち、事件の波紋が広がり始めたころ、村上牧師は「被害者は三十人に上る可能性がある」と漏らした。
 村上牧師のもとにはほかのカルト教団から脱会した人からも「当時の記憶がよみがえる」といった、「フラッシュバック」を訴える相談が寄せられている。
 村上牧師は今後も、ほかの教会の牧師と連携し新たな被害者や家族、脱会信者のケアにあたることにしており“長期戦”も覚悟している。
 「すべてのキリスト教会に協力を訴えたい。カトリックの方も、協力してくれるのであれば喜んで連携したい」
(産経新聞) - 4月13日15時37分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050413-00000026-san-soci