2005年04月09日(土) 03時01分
盗撮防止へ新法制定、厳罰化や販売制限…自民方針(読売新聞)
自民党は8日、盗撮行為を厳しく罰するための「盗撮防止法」を制定する方針を固めた。
盗撮事件の増加に歯止めをかける狙いで、軽犯罪法や条例の違反行為にしか問えない状態を改め、新法を整備することが必要と判断した。
自民党は参院政策審議会の下に「盗撮防止法ワーキングチーム」(事務局長・世耕弘成参院議員)を設置し、法案の内容の検討を始めている。4月中にも要綱を作成し、与党の了承を得て法案を今国会に提出する方針だ。
これまでの検討によると、新法は、女性の性的尊厳を守ることを目的に、盗撮行為自体に対し、軽犯罪法より重い刑事罰を科すことにする。盗撮映像と知りながら、ビデオなどの形で販売する行為も禁じる。
盗撮に使用される小型撮影器具を購入する際の本人確認や、公衆浴場・トイレの管理者に盗撮防止の努力義務を設けることも検討する。報道機関による取材目的の隠し撮りは、処罰の対象に含まない方向だ。
盗撮については最近、芸能人を映したとされる映像やホテル、露天風呂の映像が販売されたり、インターネット上で出回ったりと、営利目的の組織的な事件が相次いでいる。男女が盗撮のチームを組み、女性側が銭湯の女風呂に入浴客として入って撮影、ビデオ業者に売りさばいて1億円近く稼いでいた例もある。機器の小型化・高機能化で手口が巧妙になり、被害者も気付きにくくなっているためという。
しかし、盗撮行為はそれ自体を罰する法がなく、他人が通常は衣服をつけていない場所をのぞき見ることを禁じる軽犯罪法か、各都道府県の迷惑防止条例の違反に問うことしかできない。迷惑防止条例は半数程度が盗撮に関する規定を設けておらず、規定があっても、罰則は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」や「3万円以下の罰金」など、ばらつきがある。軽犯罪法違反の罰則は、罰金1万円未満か拘留だ。
(読売新聞) - 4月9日3時1分更新
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