2005年04月08日(金) 09時31分

永田容疑者、巧みにアメとムチ　聖神中央教会性的暴行 独裁的な権威（京都新聞）

逮捕直前、朝の礼拝で信者と握手する永田容疑者（６日、八幡市下奈良・聖神中央教会） 　 　信者の女児に性的暴行を加えた疑いで逮捕された八幡市の聖神中央教会の主管牧師永田保容疑者(61)について、関係者は事件の背景に、独裁的な権威を利用していたことを指摘する。圧倒的な力の下で教会を伸張させ、信者を獲得していった永田容疑者。彼の親族は「最も信頼できる人間」「優しく温かい」と擁護する。児童への暴行という容疑で逮捕された宗教指導者の素顔はどこにあるのか。
　■信者をろロボットに
　親族によると、永田容疑者は大阪で生まれ、京都市南区で子ども時代を過ごした。母親は熱心なクリスチャンで、永田容疑者自身は教会の中には入らなかったが、母親と連れ立って教会に行き来した。
　会社に勤め、結婚生活を送ったが、ある日「『神の証し』『イエスの奇跡』を見た」と言い出した。生活は苦しかったが、親族で入学金を出し合い、３８歳で韓国の神学大学に留学。帰国後の１９８６年に自宅で礼拝を始め、聖神中央教会を創設したという。
　礼拝で、聖歌演奏のあと「パウロ先生」と崇敬される永田容疑者が壇上に姿を現した。説教が盛り上がると声を張り上げ「汚れた霊よ、立ち去れ」と叫ぶ。立っていた信者数人がイスに倒れ込んだ。現役の信者は「触れられると病気が治った」と神秘体験を真顔で語った。
　関係者によると、永田容疑者は意に沿わない信者を「地獄におちる」と脅し、信者獲得に悩む伝道所の牧師を「多くの人を救わないのは無能な教会だ」としかりつけた。
　半面、信者勧誘や献金をした信者を「神の祝福がある」と褒め、聖壇から「あなた方は神に選ばれた者だ」と語りかけた。永田容疑者の逮捕後も「いいことをしたら褒めてくれるし、優しい人だから好きだった」とかばう信者の児童もいる。「『アメとムチ』を巧みに使い分け、信者を物言わぬロボットに変えた」。ある脱会信者は怒りに声を震わせた。
　京都府警のある捜査員は「性的被害を受けて悩みを訴える娘に、怒るどころか『それは祝福』と言った信者の母親がいた。むごすぎる事件だ」と憤る。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050408-00000001-kyt-l26