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「一審の時から死刑は覚悟しています。全然、(心境は)変わりませんよ」。最高裁判決の数日前、東京拘置所で接見した関係者によると、岡崎被告は落ち着いた様子だった。判決の確定で接見などが制限されることの方を、むしろ気に掛けていたという。
独房では作務衣(さむえ)を着て過ごす。坂本堤さん、妻都子さん、長男龍彦ちゃん、それに出家信者だった田口修二さん四人の名前を書いた紙を掲げ、一日四回読経し、殺害した人たちの冥福を祈る日々だ。
二〇〇一年十二月の控訴審判決後に接見禁止が解除された。その後、岐阜県関市にある禅寺「玉龍寺」の宮前心山住職に師事するようになった。
若いころ、命にかかわるような厳しい修行をしたという宮前住職は、オウム信徒がこだわる「神秘体験」を、頭ごなしに否定はしなかった。神秘体験は悟りなどではなく、修行の過程で現れる「魔境」にすぎず、とらわれてはいけないと、岡崎被告を諭したという。
約三年間、接見や手紙のやりとりを重ねて昨年五月、被告と宮前住職は養子縁組をした。昨年十一月に得度。「墨岳」という僧名をもらった。
「彼と贖罪(しょくざい)をともにする決心をしたのです。身寄りのない被告の骨を誰が拾うのか」。住職はそう語った。
岡崎被告は、修行の一環として水墨画を始めた。山水や花やチョウ、コイなどを筆ペン一本で根気よく描き、知人らに送る。初公判以来、岡崎被告の言動を見てきた弁護士は「控訴審でも、教祖の話をして泣きだすなどオウムの影響が残っていた。いまは透明な心境になっていると思う」と、最近の被告の胸の内を分析している。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050407/eve_____sya_____000.shtml