2005年04月03日(日) 06時18分
<ローマ法王>死去、84歳 激動の国際政治に深く関与(毎日新聞)
【ローマ海保真人】全世界10億7000万人以上のカトリック教会信者の頂点に立つローマ法王ヨハネ・パウロ2世(本名カロル・ボイチワ)が2日午後9時37分(日本時間3日午前4時37分)、ローマ法王庁(バチカン)で死去した。84歳だった。後任の新法王は「コンクラーベ」と呼ばれる、枢機卿会の選挙で選出される。
法王は2月1日、インフルエンザによる急性喉頭(こうとう)炎で入院後、体調が悪化し、入退院を繰り返していた。法王庁によると、法王は今月1日、心臓機能が大幅に低下、「極めて深刻」な状態に陥り、臨終間際のカトリック信者のための秘跡の儀式を受けていた。
ポーランド人のヨハネ・パウロ2世は78年10月、急逝したヨハネ・パウロ1世の後を継いで264代の法王に就任。イタリア人以外では456年ぶり、スラブ系では初の法王となった。1980年代には共産主義体制下の祖国における反体制自主管理労組「連帯」運動を支持し、旧ソ連・東欧圏崩壊につながる国際政治の激動に深くかかわった。キリスト生誕2000年を祝う「大聖年」を主宰し、分裂したキリスト教会の和解や異宗教との対話に力を入れていた。
法王は81年5月には、バチカンのサンピエトロ広場でトルコ人の男に狙撃され、重傷を負ったが、4日後に病床で「犯人(の罪)を許す」との声明を発表した。
在位年数がはっきりしない初代ペテロを除けば歴代2位となる26年間余の在位中、精力的に世界中を旅し、日本(81年)を含む130以上の国・地域を訪問、史上例のない「行動する法王」像を打ち立てた。
(毎日新聞) - 4月3日6時18分更新
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