2005年04月01日(金) 00時00分

ネット競売詐欺 ヤフーを全国初の集団提訴 名地裁に５７２人「システムに欠陥」 （中日新聞）

　インターネットの大手競売サイト「ヤフーオークション」を悪用した詐欺事件が多発している問題で、システム上の欠陥を放置して被害を防ぐ義務を怠ったとして、全国の被害者５７２人が３１日、サイトを管理運営するネット大手「ヤフー」（東京都）に、計約１億１５００万円の損害賠償を求める訴訟を名古屋地裁に起こした。代理人の弁護士によると、ネット・オークション詐欺の被害者の集団提訴は全国で初めて。今後さらに参加者を募り、二次提訴も検討している。

　提訴したのは、原告団長で愛知県尾張旭市の会社役員水野昇さん（５３）はじめ、岐阜、三重、東京など４４都道府県と海外在住の被害者ら。

　訴状によると、原告らは２００１年４月から今年２月にかけて同サイトを利用し、出品された自動車やテレビ、パソコンなどの商品を落札。出品者の指定口座に代金を振り込んだが、商品を受け取れなかった。

　原告らは、ヤフーは出品者や入札者から利用料を徴収してサイトを運営しており、欠陥のないシステムを提供する契約上の義務を負っていると指摘。出品者が本当に商品を所有しているのかなどチェック機能が極めて不十分で、構造的な欠陥があったとしている。

　提訴後、記者会見した水野さんは「被害者の会から原告団に参加したのは１割程度」と説明。ヤフー側の補償規定については「対象外になるケースが多く、実際には補償が機能していない」と批判した。

http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20050401/mng_____sya_____006.shtml