2005年03月29日(火) 12時47分
乗用車転落で園児死亡、保育園と運転男性に賠償命令(読売新聞)
名古屋市緑区の私立「めぐみ保育園」で2002年9月、園舎屋上の駐車場から乗用車が転落し、園児が下敷きになって死亡した事故を巡り、両親が同園を経営する社会福祉法人と理事長、園長、車を運転していた男性(78)の3人に約1億3000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、名古屋地裁であった。
島田周平裁判長は「駐車場の設置には欠陥があり、事故はそのために起きた」として、同法人と男性に5874万円の賠償を命じた。両親は理事長と園長の責任が認められなかったことを不服として、控訴する方針。
事故は同月18日、保育園に孫を迎えに来た男性が運転を誤り、屋上駐車場の鉄さくに二度衝突して、3・6メートル下の園庭に転落。整列していた片岡樹里ちゃん(当時3歳)が下敷きになって死亡、園児1人が重傷を負った。男性は、業務上過失致死傷罪で罰金50万円の略式命令を受けた。
両親は、<1>園庭に接する園舎屋上という極めて危険な場所に駐車場を設置した<2>事故の約7か月前にも、車が鉄さくに衝突する事故があり、落下の危険性を予見できた——などとして、さくの補強や駐車場の使用禁止などの対策を怠ったと訴えた。
園側は、さくに二度も衝突する事態を予測することは不可能と主張したが、判決では、「運転ミスなどでパニック状態になり、同じ運転行動を繰り返すことはまれではない」と退けた。
事故をきっかけに、国土交通省は2003年2月、多数の人が集まり転落による重大な事故が起きる危険性のある駐車場に対し、転落防止策を施すように通達を出した。めぐみ保育園は同年、屋上駐車場を取り壊した。
(読売新聞) - 3月29日12時47分更新
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