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関係者によると、岡本氏が当時社長だったソフト開発会社「アライブネット」(東京)は平成14年8月、情報サービス会社「ランドスケイプ」(東京)から106万社の企業データを数百万円で購入。この際、データの転売や複製を禁じる契約書を交わした。
ところが、15年11月ごろ、ライブドアの子会社のソフト制作会社「イーエックスマーケティング」(東京、現在は別会社と統合)がホームページ上で、企業データの販売を告知しているのをランド社が見つけ、別会社を通じてサンプルデータを購入し調べたところ、自社が売ったものと同一であることが分かったという。
イー社の社長も兼ねていた岡本取締役は同年12月、ランド社に対し、誤って転売した可能性があることを認め、「会社として違法性のあることを理解している」などとする謝罪文を書いた。その後、双方の弁護士を通じて和解交渉を進めたが、現時点で賠償には至っていない。
転売されたデータは、企業の代表者名や住所、業種などの情報を入力したもので、ダイレクトメール作成や電話による顧客獲得などに使われるという。イー社側も転売先との契約で「転売・複写禁止」の条項を設けていた。
ライブドア広報宣伝グループは、アライブ社とイー社が当時、管理システムやスタッフを共用し、購入したデータを転売可能なデータと一緒に管理していたため、混同した可能性があると説明。転売件数や金額は判明していないとし、「誠意を持って対応し、和解したと認識している」としている。
一方、ランド社の福富七海代表は「故意に転売したと確信しており、極めて悪質な契約違反だ。和解交渉が決着したとは考えておらず、グループを率いる堀江氏が責任を持って対応してほしい」と話した。
≪不正競争防止法に抵触も≫
元最高検検事の土本武司・帝京大教授(刑事法)の話「商取引の原点は『信義誠実』にあり、約束を守るのは最低限の要請だ。企業のコンプライアンス(法令順守)が強調される折からも、(故意であれば)このような利潤追求のみに走るやり方は軽視できない。不正競争防止法は営業秘密という情報(無体物)自体を財産的価値のあるものとして法的保護の対象とし、刑法の横領・背任に相当するような営業秘密の不法領得・使用・開示を刑事罰の対象にしており、事実関係いかんによっては抵触する可能性もある」
【2005/03/27 東京朝刊から】
(03/27 07:55)