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2005年03月26日(土) 03時24分

薬害エイズ 元課長2審も有罪 官僚の不作為認定 東京高裁産経新聞

 薬害エイズ事件で二人を死亡させたとして業務上過失致死罪に問われ、一審・東京地裁で一件について有罪と認定され、禁固一年、執行猶予二年を言い渡された当時の厚生省生物製剤課長、松村明仁被告(63)の控訴審判決公判が二十五日、東京高裁で開かれた。河辺義正裁判長は「高度な危険性を把握した以上、防止措置を構ずる義務があったが、エイズの危険性が明らかでなかった時期に死亡した一人目については責任がない」として一審判決を支持し、検察、弁護側双方の控訴を棄却した。
 行政がなすべきことをしなかった「不作為」について、史上初めて官僚個人の刑事責任が問われた裁判は、二審でも「責任を負うべきだ」とする判断が示された。松村被告側は「当時の段階で危険性を認識するのは不可能」などとして一貫して無罪を主張しており、上告する方針。
 公判では(1)松村被告がいつ非加熱製剤の危険性を認識できたか(2)危険性を認識した後、販売中止や回収などの措置を取る義務があったか−が争点となった。
 一審判決は(1)について「昭和六十年末」と認定。それ以前と以後の行為が問題となった二つの起訴事実について無罪、有罪と判断が分かれた。控訴審でも、検察側が両事件での有罪を主張する一方、弁護側は両事件で無罪を主張してきた。
 この日の高裁判決は、(1)について、一審と同様に、血友病患者がエイズを発症して死亡した例が省内の委員会で認定されるなどした「六十年十二月下旬ごろ」には、「高度の危険性を認識していた」と判断した。
 また松村被告の「不作為」の刑事責任を問う(2)についても「薬事法の目的や課の所掌事務などを考えると、投与を控えさせるよう権限を行使する法的義務があるとした一審の判断は正当」として、東京地裁に続いて責任を認定した。
 松村被告は(1)昭和六十年五、六月に輸入非加熱製剤が投与された帝京大病院の血友病患者(帝京大ルート)(2)六十一年四月に投与された大阪の肝機能障害の患者(ミドリ十字ルート)の二人がエイズで死亡したことについて、「輸入非加熱製剤が汚染されている危険性が予見できたのに、回収などの対策を怠った」として起訴されていた。
(産経新聞) - 3月26日3時24分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050326-00000022-san-soci