2005年03月24日(木) 17時35分

県弁護士会：２件の依頼受け放置、弁護士を戒告処分　／熊本（毎日新聞）

　県弁護士会は２２日、損害賠償事件など２件の依頼を受けながら着手せず最長約６年間放置したなどとして、弁護士法に基づき熊本市の男性弁護士（５１）を戒告処分にした。
　弁護士会によると、この弁護士は９７年９月、犬にかまれけがをした熊本市の６０代女性から、飼い主に対する損害賠償請求の調停依頼を受け、着手金２０万円を受領。その後、飼い主を特定する調査をしたが判明せずそのまま放置。０３年１２月、女性に謝罪し、賠償金想定額とほぼ同じ１５０万円を支払うことで和解した。
　また０２年１１月、同市内の５０代女性から破産申し立て手続きの依頼を受け着手金３３万円を受領したが着手せず、０３年４月ごろ、女性の問い合わせに「手続きを終えた」などとうその回答をした。その後弁護士は解任され、全額を女性に返還した。
　いずれも０３年６〜７月に依頼人が弁護士会に相談して発覚したという。弁護士は「依頼者には誠に申し訳ない事をした。処分を受け入れる」と話している。
　一方、津留清・同会長は「弁護士に対する信頼を損ない遺憾。会員全員が気を引き締めていきたい」と話している。【門田陽介】

３月２４日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050324-00000214-mailo-l43