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■明治乳業 配送トラック一元管理
埼玉県戸田市の明治乳業関東工場では、ミルク色の工場の構内に、出発前の配送トラックがずらりと並んでいた。東京都と埼玉県を中心に、牛乳販売店や学校、スーパー、コンビニの物流センターなど約千二百カ所に、ここから牛乳や乳製品を配送するのだ。
工場二階の業務課では、配送担当のスタッフらが、二台のパソコン画面に向かっていた。パソコン画面を見ると、二百台近い配送トラックの現在の位置が地図上に示されて一目瞭然(りょうぜん)になっている。
もう一つのパソコン画面を見ると、トラックごとの配送先への到着時間や積載量などが分かりやすく表示されている。「定時定配」が基本で、到着時間が遅いと赤、早い場合は黄色で表示される。
担当スタッフは、次々と入ってくる顧客からの注文に対し、どの配送トラックで対応するかを、画面を見ながら決める。才木賢治業務課長は「運行状況がリアルタイムで把握できるので、最大効率での配車が可能です」と胸を張った。
これが、二〇〇四年四月から同社が導入した新配送管理システムだ。通信衛星を使った衛星利用測位システム(GPS)と、車両に搭載した速度や温度のセンサーなどのIT機器を駆使し、配送トラックの運行状況を一括管理する。
新システムのメリットの一つがコスト削減。たとえば、量販店の注文は特売などがあって日々変動する。これまではそうした注文に応じて、特別にトラックを出していたが、新システムの導入で、既に走行中のトラックの空き時間に配送することが可能になった。
トラックは製品を積み込むと、一回二、三時間かけて、五−十カ所の配送先を回る。それを一日に何回か繰り返す。新システムを採用して、トラック一台あたりの配送回数が一日二回強から三回弱に増え、コストが大幅削減されたという。
もうひとつのメリットは品質の保持。牛乳や乳製品は冷蔵が基本で、扉の開け放しは厳禁。また、急ブレーキや急発進をすると、積んでいるヨーグルトから水分が出て味が落ちたり、クリーム類がホイップされたりする。しかし新システムでは、トラックに装備した各種センサーで冷蔵庫内の温度や扉の開閉回数、配送時の速度、急ブレーキや急発進の回数までもがチェックできる。
物流部の土田雅一課長は「新システムで品質保持が可能になっただけでなく、運転マナーの向上にもつながった」と言う。
同社は、すでに関東の主力三工場にこのシステムを導入しており、将来は全国十六の拠点工場すべてに導入する計画だ。また、このシステムを含めた物流システム全体のIT化も進めており、「来年度までの三年間で五十億円の物流コスト削減を実現したい」と話している。
IT管理システムというと冷たい感じがするが、多くのスタッフが元気に立ち働いている工場を見て、何だか安心した。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/dgi/20050314/ftu_____dgi_____000.shtml