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岐阜県可児(かに)市で03年7月に行われた市議選の電子投票トラブルをめぐり、落選した元候補者ら有権者15人が同県選挙管理委員会を相手取り、選挙を無効とするよう求めた訴訟の判決が9日、名古屋高裁であった。青山邦夫裁判長は「投票機の故障で、無視できない数の有権者が投票できなかったと推測され、選挙結果に影響を及ぼすおそれがある」として請求を認め、選挙を無効とした。総務省によると、電子投票をめぐるトラブルで選挙を無効とする判決が出たのは初めて。
同市議選(定数24)は03年7月、電子投票方式で実施された。
判決はまず、すべての投票所で投票機が故障し、9分〜1時間23分、投票が中断した結果、投票を断念したり、二重投票したりするケースがあったと認定。青山裁判長は、こうした事実を違法だと指摘した上で、「選挙の公正、適正な執行を妨げるものだ」と厳しく批判した。
また、可児市選管の対応についても、速やかに異常を解消しておらず、有権者に対する待機時間などの情報提供を行っていないとし、「選挙管理上の過誤だ」と述べた。
そのうえで判決は、最下位当選者と次点者の得票差は35票で、最下位当選者と次点者の得票数が逆転するおそれがあると結論づけた。
電子投票機を用いた同市議選では、開票作業が約1時間と従来の3分の1、職員数は約6割で済んだが、投票機の放熱が不十分ですべての投票所で投票機が故障した。落選した候補者ら有権者は市や県の選挙管理委員会に異議を申し立てたが、両選管は「結果に変化を及ぼすおそれはない」として、選挙は有効と判断。このため、有権者らは、公職選挙法の規定に基づいて裁決取り消しと選挙の無効確認を求め、両選管所在地を管轄とする名古屋高裁に提訴した。
原告の半場栄二さん(67)は「電子投票自体を否定しているわけではないが、可児市議選のようなミスや選挙後に隠蔽(いんぺい)した行為は許せない。主張が認められてよかった」と話した。
岐阜県選管は「取り消されたことを残念に思う。判決を読んで、今後の対応を検討したい」と話した。(03/09 21:32)
http://www.asahi.com/national/update/0309/NGY200503090004.html