2005年03月08日(火) 13時50分
フジが36・47%取得、重要事項拒否権を確保(読売新聞)
ニッポン放送株のTOBの結果について会見するフジテレビの日枝会長(左)
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フジテレビジョンが実施していたニッポン放送の株式公開買い付け(TOB)で、フジテレビは8日朝、ニッポン放送の発行済み株式総数(3280万株)のうち、36・47%(議決権比率で39・26%)を取得したと発表した。
株主総会で合併などの重要事項を決議するには、3分の2以上の賛成が必要だが、フジテレビは3分の1を確保したことで、単独で否決できる拒否権を得た。一方、ライブドアは市場でニッポン放送株を買い進め、すでに43%程度(同46%超)を確保している。東京証券取引所の基準では、大株主の上位10人と役員の株式保有比率が80%を超えると、1年後に上場廃止となるが、ニッポン放送がこの基準に抵触するのは確実で、上場廃止される公算が大きくなった。
TOBでフジテレビは、285の株主から789万株の買い付けに成功し、すでに保有している分と合わせ、1196万株を取得した。買い付け価格は1株5950円で、買い付け総額は469億8300万円。
フジテレビが目標としていた25%超を確保したことで、TOBは成立した。さらに、商法の規定で、ニッポン放送がフジテレビに対して持つ22・51%の議決権が消え、ニッポン放送の筆頭株主となったライブドアによる“間接支配”に陥る事態も免れた。
フジテレビの日枝久会長は8日午前10時から、東京都内のホテルで記者会見し、「3分の1超を得たことで、ライブドアがニッポン放送を支配したいと思っても否決できる。大変意味のある数字だ」と話した。
ただ、ライブドアもすでに43%程度を確保し、拒否権を得ている。さらに、「ニッポン放送の株式は今後も買い増しを進めていく」として、株主総会で取締役の選任などができる過半数の確保を目指している。
このため、ニッポン放送の経営権をめぐる争奪戦は、ニッポン放送がフジテレビに与える新株予約権に対して、ライブドアが発行差し止めを求めて申請した仮処分についての司法判断に委ねられることになる。日枝会長は「(ニッポン放送株を)市場で買うつもりはない」と述べ、TOB後の株買い増しはせず、裁判所の判断を待つ考えを示した。
新株予約権の発行が認められた場合、フジテレビは、当面、50%超を目指し新株予約権を行使する考えだ。
会見で日枝会長は、ライブドアと事業協力などの話し合いに応じる可能性について「(テレビの将来や)企業価値についての考え方の違いは、埋めようがない。相いれないものがある」と述べて、話し合いの余地はないとの考えを強調した。
(読売新聞) - 3月8日13時50分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050308-00000002-yom-bus_all