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「全部私の責任です。申し訳ありません」
先月二十二日午後、東京都千代田区のプリンス系ホテルの一室。堤容疑者は東京地検特捜部の検事と向き合っていた。任意での事情聴取が始まると、堤容疑者は検事に向かって謝罪したという。
堤容疑者への任意聴取は、その後も別のプリンス系ホテルなどで三回ほど行われた。その中で堤容疑者は、有価証券報告書虚偽記載への関与や、問題公表前の西武鉄道株の大量売却が、インサイダー取引にあたる可能性を認識していたことも認めたとされる。
自らの刑事責任に直結するこれらの供述は“全面降伏”だった。
ある西武鉄道役員は推測する。
「当初は違法状態を解消すれば、上場廃止や刑事責任は逃れられると考えたのだろう。これを翻意させたのは、小柳皓正(てるまさ)前西武鉄道社長の自殺ではないか」
関係者によると、小柳前社長の訃報(ふほう)を聞いた堤容疑者は深く悲しんだといわれる。
昨年十月の記者会見で堤容疑者は有価証券報告書の虚偽記載の実態について「一カ月もしない二週間ぐらいの間」に知ったと語っていた。
しかし、実際は昨年八月から九月にかけ、グループ役員らに指示し、自らもトップセールスで、コクド保有の西武鉄道株約六百五十億円分を取引先など七十社に売却。現在は全社と売買契約を解消した。
しかし、売却の過程で「上場廃止の可能性を伝えないまま株を売却するのはインサイダー取引に当たる」と周囲から指摘を受け、堤容疑者は違法性を認識した。
堤容疑者は周囲に「もっと早くから、刑事の法律知識のある人に相談していれば、こんなことにはならなかった」と悔やんで見せたという。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20050303/eve_____sya_____010.shtml