悪のニュース記事

悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。

また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。

記事登録
2005年03月02日(水) 10時13分

ハンセン病 検証会議が最終報告 隔離政策の真相解明毎日新聞

拡大写真
最終報告書を尾辻秀久厚労相に手渡すハンセン病問題に関する検証会議の金平輝子座長(左)=東京都千代田区永田町で1日午後、小林努写す    ハンセン病患者への隔離政策が90年間も続いた原因や隔離被害の実態を究明する第三者機関「ハンセン病問題に関する検証会議」(座長・金平輝子元東京都副知事)は1日、最終報告書を尾辻秀久厚生労働相に提出した。らい予防法の廃止が96年まで遅れた原因について、当時の厚生省が療養所の予算を維持するため隔離政策を続けたことを挙げ、医療界や法曹界、マスコミなど各界の責任も指摘した。
 報告書は、人権侵害などの再発防止策も盛り込んだ。提言内容を具体化する行動計画をつくり、進ちょく状況をチェックする「ロードマップ委員会」(仮称)の新設が柱で、厚労省は同日、05年度に設置することを正式に表明した。
 886ページに及ぶ報告書では、予防法廃止の遅れの「最も基本的な要因」として、予算獲得を優先した厚生行政を挙げた。厚生省は差別・偏見の根本問題を軽視し、療養所の処遇改善予算のため、当時の大蔵省に隔離条項の存在を強調し最大限利用したと厳しく指摘。それが厚生省に既得権を与えていたとした。
 さらに、医療界もハンセン病が不治の伝染病であるとの誤った情報を国民に浸透させたうえ、世界が予防目的の隔離を放棄した後も政府に政策転換を迫らなかった責任もあるとしている。
 療養所入所者たちは予防法の改廃闘争に取り組んだが、憲法論や人権論から支援する法律家はいなかったと言及。マスコミについても「多くの記者がハンセン病問題に不勉強で、療養所に足を踏み入れなかったため、患者闘争や人権侵害が報道されず、救済に無力だった」と批判している。
 検証会議は、01年のハンセン病訴訟熊本地裁判決を受け、再発防止のための真相解明の役割を担い、厚労省からの委託事業として02年10月に発足。26回の会合を重ねた。【江刺正嘉】
(毎日新聞) - 3月2日10時13分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050302-00000000-maip-soci