簡保顧客リスト悪用元局員ら、資産家狙う（東京新聞）

2005年02月28日(月) 00時00分

　米田一典元全日本女子バレーボール監督（５４）を監禁、恐喝した疑いで逮捕された東京都立川市柴崎町一、元郵便局員秋山勝彦被告（３７）＝強盗傷害罪などで起訴＝らのグループが、簡易保険の顧客リストを悪用し、資産家を狙って強盗を繰り返していたことが二十八日、警視庁捜査一課の調べで分かった。

■警視庁容疑で再逮捕へ

　グループは都内で、資産家狙いを含め十数件の強盗事件などを起こし計約五千万円を奪ったとされる。このうち早大客員教授と妻から現金一千万円を奪った疑いで、同課は秋山被告ら三人を近く再逮捕する方針を固めた。

　調べなどによると、秋山被告は一九八六年、当時の郵政省東京郵政局（現日本郵政公社東京支社）に採用されてから九八年に退職するまで、多摩地区の郵便局で簡易保険の営業をしていた。

　退職後、違法な仕事を紹介するインターネットのホームページで、港区芝公園二、会社員佐藤貢被告（２５）＝同＝ら仲間を集め、二〇〇三年ごろから、資産家を狙った強盗を重ねたという。

　秋山被告の関係先から簡易保険の顧客リストが押収され、この名簿を使って資産家をリストアップしていたとみられる。

　早大客員教授夫妻の事件は昨年一月二十日に起きた。数人の男らが調布市内の教授宅に宅配便を装って押し入り、妻に拳銃のようなものを見せて脅迫。三鷹市内の銀行の現金自動預払機で、妻に一千万円を引き出させて奪った。

　客員教授は、かつて秋山被告の顧客だったことが判明。秋山被告らは調べに、事件への関与を認めているという。

　秋山被告らは昨年十一月、テレビ局の取材を装い、愛媛県の観光牧場支配人を東京都内に呼び出して現金を奪った強盗傷害容疑などで逮捕、起訴された。

　今年二月にはインターネット関連会社「ライブドア」の社員をかたって米田元監督を呼び出し、現金を脅し取った恐喝容疑などで再逮捕された。

悪のニュース記事