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超高金利の貸金業者を相手に、札幌市の男性が支払った108万9000円の返還を求めた訴訟の判決が23日、札幌高裁であり、末永進裁判長は「貸金に名を借りた違法行為に過ぎず、返済した金額は不法行為による損害である。元本も保護に値しない」と契約無効の判断を示して、業者に元本を含む全額を返還するよう命じる判決を言い渡した。ヤミ金問題に取り組む弁護士は「元本まで返済義務はないとする判断は高裁レベルで初めてで、画期的だ」と評価している。
訴えによると、男性は「借り入れた倍額を給料日に返済する」との内容で、02年3月から継続的に借金を続け、03年1月までに元本、利息を含め計108万9000円を返済。年率換算で1200%の超高金利で、業者は契約書や領収書を交付しなかったとされる。
末永裁判長は「貸金業法や出資法を全く無視した無法な貸し付けと回収であり、到底許されない違法行為」と指摘した。
原告側は「出資法の利率(年29.2%)を大幅に上回り、金銭消費貸借契約と称した悪質な犯罪行為で、契約は無効」と元本を含む全額の返還を求めていた。業者側は「貸金業法に則(のっと)った営業」と争っていた。
同様の民事訴訟では原告が勝訴した場合でも、不当な利子分の返還だけを命ずる判決が出ることが多い。全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局長の木村達也弁護士は「高裁で事実関係を争った事案では初めてではないか。悪質化するヤミ金業者の抑止につながる」としている。
03年7月施行の「ヤミ金融対策法」でも、法定利息を超える貸金契約の「元本返済義務」については明確な規定がなかった。
(02/23 14:50)