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2005年02月23日(水) 14時57分

年1200%のヤミ金「元本も返す義務なし」札幌高裁読売新聞

 札幌市の貸金業者から年1200%以上という法外な利息で金を借りた男性が、返済額約109万円の全額返還を求めた訴訟の控訴審判決が23日、札幌高裁であり、末永進裁判長は「貸金に名を借りた違法行為で、支払った全額が不法行為の損害。元本も保護に値しない」として業者に約109万円全額の返還を命じた。

 全国クレジット・サラ金問題対策協議会事務局長の木村達也弁護士は「元本の返済義務なしとする判決は高裁では初めてではないか。ヤミ金撲滅にとって、画期的な判決だ」と評価している。

 違法金利で貸し付けるヤミ金融業者に対する訴訟では、利息制限法(年利15—20%)を上回る過払い分の返還だけを認める例が多い。この訴訟でも1審・札幌地裁判決は昨年7月、過払い分約18万円の返還だけを命じたため、男性が控訴していた。

 今回の札幌高裁判決と同様、元本の返済義務なしとする判決も、業者側が積極的に争わないことが多い簡裁を中心に相次いでいる。しかし、2003年7月に成立(昨年から完全施行)した「ヤミ金融対策法」(貸金業規制法と出資法の改正)では上限金利を超える契約は無効で、利払いは不要とされたが、元本について明記されなかった。

 木村弁護士は「ヤミ金対策が後退する心配があったが、元本返済なしとする裁判所の判断が積み重なることが重要」と話している。
(読売新聞) - 2月23日14時57分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050223-00000308-yom-soci