悪のニュース記事では、消費者問題、宗教問題、ネット事件に関する記事を収集しています。関連するニュースを見つけた方は、登録してください。
また、記事に対するコメントや追加情報を投稿することが出来ます。
現在、PHS市場でドコモはウィルコム(旧DDIポケット)に次ぐ国内2位。ただし、平成16年3月期の売上高は757億円にとどまり、設備投資負担の重さなどから、355億円の営業赤字を出している。
「最大手のウィルコムは定額制データ通信サービスの“エアーエッジ”のヒットでなんとか黒字を維持しているが、業界3位のアステルグループ(電力系)も撤退、縮小を続けているように、マーケット全体はジリ貧状態だ。不振の原因は“安いだけの携帯電話”というイメージが定着し、PHS独自のサービスを消費者向けにアピールできなかったことに尽きる」(通信担当アナリスト)。
一時、PHSは通話料金の安さや音質のよさを売り物に契約者を増やしたが、携帯電話の通話料値下げや通信速度が速い第3世代携帯電話の登場に押されっぱなし。電気通信事業者協会の発表によると、ドコモのPHS加入者は今年1月末現在、136万9200件で、ピーク時の平成9年9月末の3分の2に急減している。
ドコモはPHS事業からの撤退に伴い、17年3月期には数百億円規模のリストラ損を計上する見込み。
昨年6月には、やはり赤字事業だったポケベル事業から撤退。急ピッチで事業再構築を進める背景には、主力の携帯電話事業テコ入れの苦しい事情がある。
「着うた」などのヒットで快走を続けるauに激しく追い上げられているほか、ADSLの「ヤフーBB」で価格破壊を実行したソフトバンクなども新規参入に意欲を燃やしている。さらに、来年には他社の携帯に移っても電話番号が変わらない「ナンバーポータビリィティ」(番号継続制)が導入される見通しで、顧客獲得競争は激化する一方。
お荷物部門を切り捨てても、王者ドコモの“憂鬱”は続きそうだ。
ZAKZAK 2005/02/17