悪のニュース記事

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2005年02月14日(月) 13時38分

2月14日付・よみうり寸評読売新聞

 〈法は善人のために作られたるものにあらず〉——これはソクラテスの言葉。〈法は悪人のために作られたるものなり〉——これはイタリアのことわざ◆きつい風刺が込められている。加害者の人権保護に傾きがちで、被害者のそれがないがしろになるような法の運用を感じると、うなずける言葉だ◆最近の事例その一 刑務所からの仮出所者が保護観察期間中に所在不明になるケースが多い。昨年十月末で全国の仮出所者八千人超のうち六百余人が不明。安城市の乳児刺殺犯はこのケースの不明男だ。更生保護施設から行方をくらましても警察に通報がないとは? 仮出所を認めた判断にも疑問が出る◆その二 暴力団系ヤミ金融グループのトップに対する判決が犯罪収益の没収・追徴を認めなかったのはなぜか◆被害者が民事訴訟で被害回復の道を図る道を残したと聞けば、もっともだとも思う。が、現実に被害回復は困難。犯罪の収益がはく奪されないことにもなる◆その三 通信傍受法が施行後使われたのはわずか八事件。悪は安心して電話をかけまくっている。

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20050214ig05.htm