2005年02月13日(日) 11時47分
三菱ふそうの車軸部品欠陥、販売店の指摘も無視(読売新聞)
三菱ふそうトラック・バス(三菱自動車から商用車部門が分社)で新たに発覚した「欠陥隠し」41件の1つ、大型車の車軸部品について、少なくとも1989年から95年まで6回にわたり、三菱側が全国の販売店から欠陥を指摘されていたことが分かった。
三菱側は、車軸部品は定期的に交換されるため自然に回収できると判断、リコール(回収、無償交換)の届け出どころか、部品をひそかに交換する「ヤミ改修」すら行っていなかった。この欠陥では人身事故や車両火災も発生しており、国土交通省では「早い段階で対処していれば事故の多発を防げた」としている。
車軸部品の欠陥は、84年—95年製の大型車で見つかった。製造不良で接合部の密閉が不十分なため、走行中に潤滑剤が漏れて過熱、部品が焼きつき、重さが1本約50キロの車軸が脱落する恐れがある。この欠陥による事故・不具合は、87年から人身事故や車両火災を含め44件に上り、大半は購入から数か月に満たない新車で起きていた。
三菱側が国交省に提出した資料によると、販売店から三菱側に指摘があったのは、89、92年に各1回、93年に3回、95年に1回。神奈川県内で89年に発生した不具合について、修理した販売店から「潤滑剤の初期充てん不足と推定される」と欠陥の疑いが初めて報告された。
6回目の指摘があった4か月後の95年9月には、大阪府高槻市で、この欠陥が原因で人身事故が発生。この事故では、脱落した大型車の車軸がブレーキ部品を破損し、信号待ちをしていた乗用車の列に突っ込む最悪のケースだった。
三菱ふそうでは、リコールを届け出なかったのは不適切と認め、「遅くとも欠陥が多発していた93年までに対策を取るべきだった。今年3月までにリコールを届け出る」としている。
(読売新聞) - 2月13日11時47分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050213-00000201-yom-soci