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2005年02月10日(木) 21時15分

保険買い取り:名義変更拒否は不当と末期がん患者が提訴毎日新聞

 生命保険金を受け取る権利を保険買い取り会社へ売り渡すため、契約の名義変更を求めたのに拒否されたのは不当だとして、埼玉県内の末期がん患者の男性(50)が10日、生命保険会社に名義変更を求めて東京地裁に提訴した。保険の買い取りは、米国では広く行われているが、日本では初のケースという。

 訴えによると、男性は89年、死亡保険金が3000万円(後に2830万円に減額)支払われる契約を東京都内の生命保険会社と結んだ。翌年、慢性肝炎と診断され勤務先の会社を退社。02年に肝がんと告知された。

 長期の診療で生活費に困り、毎月の保険料約1万8000円を払えなくなった。保険を解約しても解約金が約28万円にすぎないため、男性はインターネットで知った保険買い取り会社「リスク・マネジメント研究所」(東京都江東区)に相談。昨年12月、死亡保険金を受け取る権利を約850万円(死亡時期により、別に約850万〜約56万円の弔慰金を遺族向けに別途加算)で売り渡し、保険契約者と保険金受取人をリスク社に変更したうえ、リスク社が保険料を負担することで合意した。

 今年1月、男性が保険会社に、リスク社への名義変更を求めたところ、保険会社は「男性が役員や従業員の法人か、近親者以外への名義変更はできない」と回答。保険契約の定款は、第三者への名義変更に保険会社の同意が必要と定めているが、男性は「一時金が早急に必要な状態で、保険会社は同意権を乱用している」と主張している。

 リスク社は昨年4月、日本で初めて保険買い取り事業を開始。男性が最初の契約者で、現在も数人と交渉中という。

 提訴について、保険会社は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話している。【井崎憲】

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20050211k0000m040116000c.html