2005年02月09日(水) 19時06分
<ロ事件開示訴訟>原告側の請求棄却、逆転敗訴 東京高裁(毎日新聞)
ロッキード事件に関する最高裁の裁判官会議の資料を非開示としたのは違法として、東京都の団体職員、武藤久資さん(44)が国に慰謝料を求めた訴訟の控訴審判決が9日、東京高裁であった。秋山寿延裁判長は、一部の非開示を違法として6万円の支払いを命じた1審東京地裁判決(04年6月)を取り消し、武藤さんの請求を棄却する原告側逆転敗訴の判決を言い渡した。武藤さんは上告する方針で、最高裁が自ら違法性を判断する見通しとなった。
最高裁の司法行政を巡る文書公開における初の訴訟として注目された。国会と最高裁は情報公開法(01年4月施行)の枠外で、最高裁は「要綱」で公開の是非を取り決めているが、不服申し立て制度がないなどの欠陥が指摘されている。
非開示とされたのは、ロ事件捜査中の76年に米国側関係者の嘱託尋問調書を取り寄せる際、最高裁が「検事総長の訴追しないという確約が将来にわたって順守されると宣明する」と米側に伝えた「宣明書」に関する会議資料など。
1審判決は「非開示にする理由は見いだせない」として、最高裁が存在しないと主張した米国側との交渉記録などを除く会議資料の非開示を違法と認定した。しかし、高裁判決は「議事録の開示は自由で率直な議論に不当な影響が及ぶ恐れがあり、非開示は適切、合理的だった」と判断した。【坂本高志】
▽最高裁広報課の話 判決が確定していない段階でコメントは控えたい。これまでも必要な情報開示を行ってきたところであるが、今後も適切な開示に努めてまいりたい。
▽武藤さんの話 裁判所だけは特別だという判決で、後々笑いものになるのではないか。
(毎日新聞) - 2月9日19時6分更新
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