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ここ数年急増するインターネットでの調査は、従来の訪問調査に比べ世の中への不満が強く、将来に不安を感じる傾向が強めに出ることが、厚生労働省の外郭団体「労働政策研究・研修機構」の調べで分かった。手軽さから政府の調査でもよく使われるが、同機構は「結果を公表する時は、偏りがあることに留意する必要がある」としている。
ネット調査は商品開発のためのマーケティングや社会的な意識調査などに多用されている。その結果に偏りが出ないかなどを調べるため、04年に訪問面接型で実施した「勤労生活に関する調査」について、同時期に4社のネット調査会社にも依頼した。訪問型とネットで同じ調査をして比較、検証するのは初めてという。
訪問調査は無作為抽出した20歳以上の男女各2千人が対象。ネット調査は各社がそれぞれ登録モニター1650人に実施し、20代から60代まで、年齢性別が偏らないようにした。
訪問調査の詳細な結果は集計中だが、ほぼ同じ数値が出た01年調査の結果と比較すると、「もっとも望ましい職業キャリア」を聞く質問では、訪問調査は▽「一企業に長く勤務する」が39.6%▽「複数企業を経験する」が29.4%だった。しかし、ネット調査では、4社とも「一企業」と「複数企業」が逆転、日本型終身雇用に否定的な数字が強く出る傾向があった。
「世の中が公平かどうか」の質問に対しては、「公平でない、あまり公平でない」という回答の割合が、訪問調査より、ネット調査の方が高かった。
ネット調査4社のうち3社の回答者は公募したモニターで、高学歴で専門技術職の人が多く、一方で、派遣やパートなどの非正社員が訪問調査よりも多い傾向も分かった。空き時間を使って謝礼をもらうためにモニター登録をする人も多かった。同機構の本多則恵情報管理課長は「ネット調査の回答者には、自分の能力はもっと高いのに、社会が悪いから生かせないと感じている人が多いのでは」と分析する。
日本マーケティング・リサーチ協会の調査方法別の売り上げ構成比をみると、訪問調査は90年の45%が02年に25%と激減する一方、ネット調査はこの間に0%から13%に急増している。
(02/06 13:36)