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格付けは肉の質や霜降りの量などで決まる肉質等級と、牛一頭から肉がどれだけ取れるかという歩留まり等級の二つからなり、米農務省の格付け検査官が目で見たり計測したりして決める。肉質等級は霜降りが多く最高級のプライムから、セレクト、スタンダードなど八段階。歩留まり等級は五段階に格付けされる。
「米国の牛肉格付けは一九二七年に始まり、何度も改善され、品質管理などに利用されています」と米国食肉輸出連合会東京事務所の原田晋ディレクター。
今回の米側の提案は、牛の生後月齢の判定に、肉質等級の格付けを決める指標の一つである「成熟度」を利用しようというのだ。放牧中の自然出産がほとんどの米国では、日本のように出生日時を把握するのが困難なためだ。
成熟度はどのようにチェックするのか。「牛は成長するにしたがって、肉の色は鮮やかな赤から黒ずみ、軟骨が硬い骨になる骨化が下半身から上半身へ進む」(原田ディレクター)。こうした牛の骨や肉の生理学的変化に着目して、AからEまで五等級に区分。各等級はさらに細かく区分され、約五十段階に格付けされる。Aが若く、Eが高齢。Aの牛は月齢九−三十カ月だという。
この格付けと、月齢が明確な牛のデータを付き合わせて、成熟度と月齢の相関関係を分析・研究し、日本が求める「月齢二十カ月以下」という基準を保証する仕組みをつくるという考えだ。誤差については、基準をさらに若く設定することでカバーする。
実際の成熟度は、脊柱(せきちゅう)(背骨)全体、仙骨、腰椎(ようつい)、胸椎(きょうつい)の形や軟骨の骨化の状態、脊柱の断面の様子、肋骨(ろっこつ)の形状、特定部位の赤身肉のきめ細かさと色、などを検査官が総合的に判断するそうだ。
目視を中心にした肉質チェックにミスジャッジはあり得ないのか。日本の消費者が納得できるやり方なのかどうか−。牛肉格付け制度をもとにした米国提案の月齢判定については、その精度への信頼性をどう見るかが議論の焦点。専門家会合で、米側の追加報告を踏まえ、どんな結論になるにしても、消費者への分かりやすい説明が絶対に欠かせない。
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kur/20050206/ftu_____kur_____000.shtml