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三菱ふそうトラック・バス製の大型トレーラーから金属製プロペラシャフトが脱落する欠陥で、95年に大阪府高槻市で起きた人身事故の直後、同社が販売店から「整備不良が原因」との報告を受け、欠陥を放置していたことが分かった。87年から昨年10月までに44件の同様の不具合が報告され、物損事故3件、車両火災1件が起きていた。同社は緊急点検を実施することにしている。
欠陥はエンジンの動力を車軸に伝えるプロペラシャフトの接合部に不具合があり、シャフトが脱落する。同社は2日、この欠陥を含む41件のリコール(無償回収・修理)を表明したが、シャフト脱落に関するリコール対象は83〜94年の製造車で、台数は調査中だ。
同社によると95年9月30日午前、高槻市の国道171号で、トレーラーが信号待ちの車4台に追突した。けが人など詳細は不明。同社系列の販売店が翌月4日に大阪府警と事故車を調べたところ、脱落直前のプロペラシャフトがブレーキ配管にあたって壊し、制御不能状態だった。担当者は翌5日、本社に不具合情報を報告する商品情報連絡書に「整備不良と処理されるような状況だった」などと記述した。
この欠陥が原因と見られる物損事故は、高槻市の事故の翌日の10月1日に兵庫県の中国自動車道で、93年6月に愛知県の名神高速、04年7月に山口県の中国自動車で起きた。いずれもシャフトが路上に脱落し、後続車や対向車が乗り上げ、大惨事につながりかねない状況だった。
02年に山口県で運転手が死亡したクラッチ系統の欠陥と原因は異なるが、脱落したシャフトが当たってブレーキ配管が壊れ、制御不能になるという現象は共通する。同社は山口の事故後にも「原因は整備不良」として対策を放置していた。
クラッチ系統の欠陥について、同社は昨年5月に重大性を認識したとしているが、同様にシャフトが脱落するこの欠陥は、昨年末から今年初めにかけてリコールが必要と結論付けたといい、国土交通省は「経緯を詳しく調べる」としている。
(02/03 11:33)