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2005年02月03日(木) 17時50分

新教育の森:宮崎 小中学生と「ケータイ」 最低限のルールが必要 /宮崎毎日新聞

 子どもと携帯電話の関係に頭を悩ませている親は多いのではないだろうか。便利さの半面、出会い系サイトなどを通じて犯罪に巻き込まれるケースもある。県青少年男女参画課は1月28日、携帯電話について親子で学ぶ講座を初めて開いた。話し合いながら正しい活用法を学び、ルールを作る。講座をきっかけに「ケータイ」との付き合い方を探った。【佐藤恵二】
 ◇持たすなら親の責任で
 宮崎市で開かれた講座には、小中学生の親子13組が参加。まず、携帯電話のメリット、デメリットを話し合った。
 メリットは、直接本人に連絡できる▽送り迎えの連絡に便利▽メールを一斉に送れる——など。一方、デメリットは、長電話してしまう▽子どもの交友関係が見えなくなる▽犯罪に巻き込まれる可能性がある——など。
 その後、携帯電話絡みの事件について説明を聴き、親子で使用ルールを作成。1カ月の通話料の上限を決める▽午後9時には電源を切る▽ゲームはダウンロードしない——などを決めた。
 参加した親の多くは携帯電話を所持。子どもに尋ねると約5人が「持ちたい」と希望したが、ほとんどの親は小中学校で携帯電話を持たせることには反対した。同課の吉田瑞行・青少年対策主幹は「小中校での携帯電話は基本的に禁止」とした上で「大人になって初めて危険性を学ぶのでは遅い。子どもの時からしっかりと知識を持つことが必要」と講座の意義を話す。
   ◆   ◆
 県教委が03年に実施した県内小中学校アンケートでは、携帯電話の保有率は小学生2・1%▽中学生11・5%。しかし、所有を原則禁止している中での調査のため、同課は「実際には2割程度が所持」と推測する。高校では72%と激増。「高校入学祝いの一番人気は携帯電話」(同課)などの背景があるようだ。
 携帯電話を持っている宮崎市の小6女児と中1女子に聞いた。持った理由については両者とも「親との連絡」を挙げ小6は「習い事に行く時に」、中1は「塾帰りに便利」と話した。クラスで持っているのは、小6が「女子は5、6人。男子は2、3人」。中1は「男子はあまりいないが女子は半分近く」で、女子が多く持つ傾向があるようだ。ただし「学校には絶対持ち込まない」と口をそろえた。
 2人とも「通話よりメール機能を多く使う」と言う。小6は「あまり親しくなかった人とメールを通じて仲良くなれたのがうれしかった」と話し、メールが浸透している様子がうかがえた。
 子どもの携帯電話やインターネット利用の問題に取り組むNPO「ねちずん村」(前橋市)村長の下田博次・群馬大学教授は「携帯電話に絡んだ問題が起きた場合、責任を負うのは親。子どもがどう使うかではなく、親がどう使わせるかが問題」と強調。その上で「通話よりインターネットやメールに引かれる子どもの特性を、親がきちんと勉強しなければいけない。持たせるならルールを作り、破ったら取り上げるなどの処置が必要。私としては小中学校で持つ必要はないと思う」と話した。

2月3日朝刊
(毎日新聞) - 2月3日17時50分更新

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050203-00000201-mailo-l45