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博多名物の水炊きは、鶏ガラでとったスープに鶏肉や野菜を入れ、ポン酢で食べるシンプルな鍋料理。その素朴さゆえ、自然のもつうまみが際立つ。今回は、水炊きの発祥の地である博多を訪れ、地元の味の指南を受けた。
博多っ子に愛される水炊き 素朴で栄養満点の家庭料理「昔は夏でも水炊きばよう食べよったもんねぇ」「寒か時は特に、博多はおでんよりも水炊きたい。かしわと野菜ば腹いっぱい食べてから、シメはおじや。栄養バランスもばっちりやし、スープも残さんでよかろうが〜」……。
“水炊き談議”に花を咲かせているのは、福岡市内に住む花田和真さん夫妻とその友人夫妻。いずれも生粋の博多っ子。大の水炊き好きでもある。今回は花田さん宅で水炊きを披露してもらった。
そもそも水炊きは明治時代、洋食のコンソメスープと中華の鶏肉料理をヒントに博多で生まれた鶏鍋料理。博多の家庭では、今もごく自然に食卓に登場する。
おいしい水炊きの一番の決め手となるのがスープ作り。花田さんが前の晩から仕込んだというスープは、3羽分の鶏ガラを水から炊き、ていねいにアクを取りながら、弱火で4〜5時間煮込んだものだ。「単純な作業やけど、手間を惜しまずにじっくり時間をかければ、うま〜かスープがとれるとよ」と花田さん。
スープを土鍋に移し、みんなで鍋を囲む。まずは具を入れる前に、鶏のうまみが溶け出したスープのみを味わうのが博多流。茶碗にスープをよそい、塩をひとつまみ。好みで薬味の博多万能ネギを入れる。博多万能ネギは、福岡県朝倉郡の余名持(よなもち)地区が発祥。細い青ネギで、柔らかく甘みがあり、その名の通り、どんな料理の味をも引きたてる万能選手だ。
鶏のふくよかなコクが際立つ、滋味豊かなスープを味わったら、肉、野菜の順に次々と具を鍋に投入。主役となる鶏肉は、福岡県産の「はかた地どり」を使う。シャモとブロイラーのホ白色プリマスロックをかけ合わせた「はかた地どり」は、野性味が強く身のしまりも抜群。骨離れがいいことから水炊きに適している。
「肉や野菜やらば、このポン酢につけて食べるとよ」と花田さん。普通はダイダイの搾り汁で作るが、今回は花田さん宅で採れたユズを使う。手製のポン酢に、刻んだ博多万能ネギと大根おろしをたっぷり加え、煮えた鶏肉につけて食べてみる。最初にポン酢の爽やかな酸味と香りが鼻を抜けたあと、スープで炊いた濃厚な鶏肉の味わいが口の中いっぱいに広がる。
肉と野菜をたいらげた後は、冷やご飯でおじや。鶏肉と野菜の旨味がしみ出た最後のスープで仕立てたおじやは、満腹感を感じ始めた胃袋にもするりと入っていく。「おかわりを……」と覗いた土鍋はすでにからっぽ。顔を見合わせた4人の笑顔で水炊きは締めくくりとなった。(文/城戸宏美、写真/藤山寛治)
キャナルシティ博多
電話092・282・2525/10時〜21時(飲食店は23時まで、店舗によって異なる)/無休/東海道新幹線博多駅から西鉄バス7分、キャナルシティ博多前下車すぐ/福岡都市高速呉服町出口から昭和通り、大博通り経由約10分
中洲
中心部までの交通=山陽新幹線博多駅から地下鉄空港線中洲川端駅下車すぐ/福岡都市高速呉服町出口から昭和通り経由約5分
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