2005年02月02日(水) 16時45分
詐欺:多額の出資金誘われ…中南信で続発 被害21人、金額12億円に /長野(毎日新聞)
◇多額出資金詐欺か−−一部が返還求め民事訴訟
「国の公的機関で運用する」「政治家に選挙資金を用立てる」などの名目で高配当の出資を誘われ、出資金が返還されなくなるトラブルが中南信地方で相次いでいることが1日、分かった。被害に遭った人は21人、金額は約12億円にも及び、一部被害者は出資金返還を求める民事訴訟も起こしており、県警も関心を示している。
訴状などによると、出資を誘っていたとされるのは豊科町の無職女性(57)。訴訟を起こした南信地方の男性(65)は、妻の知人だったこの女性に「月1・2%の利率が支払われる“親元”に預けるから、私に金を預けてみないか。金は国の公的資金に使われるから大丈夫」などと誘われ、90年10月から金を預け始めた。月に1度、利息の配当金を受け取ったが、それも出資するよう誘われ、02年4月まで配当を合わせ計約2億1100万円を預けたという。
ところが01年12月以降は「親元に国税庁の調査が入った」などの理由で配当が支払われなくなった。男性は出資金の返済を求めたが応じられず、昨年7月「女性に金をだまし取られた」として、出資金のうち配当から増資に回した額を除く元金約9500万円の返還を求め地裁松本支部に提訴。男性の妻や、夫婦が紹介した親せきや知人ら9人も計2億5000万円以上を預けているという。男性は「配当のほとんどを出資に回したため、得にならなかった」と話す。
出資話は知人・親せきを通じて口コミで広がり、女性に直接または間接的に金を預けたという。運用先に挙げられたのは「大物政治家の選挙資金」「国の公的資金」「金融業を営む女性の親族」とさまざまで、多くが貯まった配当をさらに出資するよう誘われた。中信地方の元会社員(74)も、「女性との金の仲介をしていた」とされる77歳の女性を相手取り、出資金の返済を求める訴訟を起こしているが、被告の女性は「私も金を預けた被害者」と主張している。
一方、出資を誘ったとされる女性は昨年11月の弁論で「細かい部分は思い出せない」としながらも「そのような金は預かっていない」と証言。豊科署では、この女性ら複数の関係者に事情を聴いている。
被害を訴える1人は「怪しいとは思ったが、高額の配当が毎月手に入ったので、金を預けてしまった」と話している。
2月2日朝刊
(毎日新聞) - 2月2日16時45分更新
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