2005年02月01日(火) 03時08分
住吉会系組員の振り込め詐欺、「金庫室」迂回し上納(読売新聞)
指定暴力団住吉会系組員らによる組織的な振り込め詐欺事件で、メンバーがだまし取った金は「金庫室」と呼ばれる場所にいったん集められていたことが31日、警視庁などの合同捜査本部の調べでわかった。
捜査本部では、東京都内のマンションに開設された「金庫室」の1つから、現金約2000万円を押収した。この「金庫室」には、「店」と呼ばれる約100か所の犯行拠点のうち、約10か所の違法収益が集められていたという。捜査本部では、それぞれの「店」の収益を幹部に直接上納せず「金庫室」を迂回(うかい)させることで、「店」が摘発されても幹部まで捜査の手が及ばないようにしていたとみている。
同グループでは、傘下の「店」を約10の店舗グループに分け、それぞれを「グループ長」と呼ばれる幹部が管理していた。これまでの調べで、「店」の社員らが、家族などを装って電話をかけ、被害者が現金を銀行口座に振り込むと、引き出し役が口座から金を引き出し、店長に手渡していたことがわかっている。
メンバーの供述などによると、店舗グループの1つの「JJ」グループでは、1店あたりの現金が数千万円になると、「金庫室」と呼ばれるマンションの部屋に各店長が持参していたという。「金庫室」には金庫番がおり、グループ長の側近が2—3日に1度の割合でやって来ては、現金を回収していたらしい。
一方、約100か所の「店」全体では毎月数億円規模の違法収益があり、その大部分が「総括社長」と呼ばれる男に渡っていたことも新たに判明した。「総括社長」が店長や社員の前に姿を見せることはほとんどなく、「総括社長」の指示は、グループ長を通じて各店長に出されていた。
また、「店」では詐欺が成功する度に証拠隠滅のため、使用した携帯電話や帳簿などを燃やしていたといい、事実、1月26日の捜索直前には、埼玉県内のビルに設けられた「店」の窓を従業員が開けて煙を出しているところを捜査員が確認している。この「店」からは、熱で溶けた携帯電話や、帳簿などを燃やした灰も発見されたという。
(読売新聞) - 2月1日3時8分更新
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