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2005年01月28日(金) 22時53分

三菱ふそう、認証前製造トラック2千台に欠陥朝日新聞

 三菱ふそうトラック・バスが販売が認められていない小型トラック「キャンター」の新型車約2800台を生産していた問題で、このうち約2000台のエンジンなどにリコール(無償回収・修理)に相当する欠陥があることが28日、国土交通省の調べで分かった。同省は同日午前、この新車の型式を認証、販売を認めていたが、その後に欠陥が判明、午後になって急きょ、販売前に改修を済ませるよう異例の指示を出した。販売済みの現行型25万5000台にも同じ欠陥があり、同社はリコールなどの対策を実施する。

 国交省や三菱ふそうによると、同社が新型車の販売に必要な認証を得る前の昨年9〜12月に生産した同型車は2847台に上った。このうち1977台はエンジン部品の欠陥で始動できなくなる恐れがあった。うち26台にはさらにブレーキ系統の欠陥も見つかった。

 同社は昨年2〜4月に認証申請したが、同3月以降、一連の欠陥隠しが明らかになったため、同省は同社の審査を厳格化した。10月には販売済みのキャンターの不具合情報を調べるよう指示したが、昨年末になってブレーキ系統の不具合情報が03年以降57件、エンジンの不具合情報が17件、別のブレーキ系統の不具合が5件あったことが分かった。

 認証申請した新型車については、申請書類上、対策部品を使うか設計変更をするなどしてこれらの欠陥は解消されていた。このため同省は28日午前、「新型車に安全上の問題はない」として、販売の前提となる型式認証を同社に与えた。

 しかし、28日朝の朝日新聞の報道で、同社が新型車を既に生産していたことを知った同省が、同社に使用部品などについて改めて調べさせたところ、1977台が現行型と同じ欠陥のある部品を使用しているのがわかった。同社は改修を急ぐとともに、すでに販売した約25万5000台について、リコールなどの対策を近く届け出る。

 国交省自動車交通局は「審査を厳格化していなければ欠陥車が販売されていたことになる。三菱ふそうには今後も定期的な監査を実施して厳しく指導し、再発防止に努める。今回の事態は極めて不愉快だ」としている。

 同社は今回の型式認証に先立つ今月24日、相次いだ欠陥隠し問題への再発防止策を同省に提出。(1)新たな不正が発覚した場合は経営陣が辞任する(2)検事総長経験者ら有識者による倫理委員会を発足させ、法令順守を徹底する——などと再出発に向けた決意を示した。認証は一連の問題に対する「制裁解除」も意味したが、同社はその直後に新たな問題を抱えた。

    ◇

 〈塩沢秀幸・三菱ふそう品質技術本部長の話〉 認証前の組み立ては出荷を前提にしたのではない。入荷した部品の置き場に困ったための「仮組み立て」で、だますつもりも、隠すつもりもなかった。欠陥については販売前に改修する。(01/28 22:52)

http://www.asahi.com/national/update/0128/033.html