2005年01月28日(金) 16時17分
元会員2人逮捕 グランド社出資金詐欺(産経新聞)
組織犯罪幇助の疑い
東京の宝石販売会社「グランドキャピタル」(破産)の出資金詐欺で、マルチ商法の会員勧誘を専門にする「マルチネットワーカー」の会員が被害者を増やしたとされる事件で、大阪、大分両府県警合同捜査本部は二十八日、組織犯罪処罰法違反(組織的詐欺)幇助(ほうじょ)容疑で、いずれも元会員で保険代理業の横浜市保土ケ谷区、服部明美(52)と大分市賀来北、指原徳二(59)の両容疑者を逮捕した。
マルチ商法の事件で自身も被害を受ける可能性のある会員を詐欺などの幇助容疑で逮捕するのは初めて。府警は、名簿などをもとに数々のマルチ商法を渡り歩くマルチネットワーカーの実態解明を目指す。両容疑者は「間違いありません」などと容疑を認めている。
調べでは、服部容疑者らは平成十四年七月下旬、同社実質経営者、矢吹寿雄被告(42)=組織犯罪処罰法違反罪で公判中=らが大分市のホテルで開催した説明会で「ペルーの記念金貨を発行する。百万円コースで最低百四十四万円以上になる。損はさせない」とうそをつき、大分県内の六十代の男性から出資金百五万五千円をだまし取るのを手助けした疑い。
マルチネットワーカーはマルチ商法の客となる一方で多くの下部会員を紹介。両容疑者は同月上旬以降、大分市のグランド社大分支社などで男性を勧誘し、説明会に出席させており、服部容疑者は約五千七百万円、指原容疑者は約四百二十万円の利益を得ていた。
昨年九月に逮捕された矢吹被告は「ネットワーカーがきてくれて、グランドキャピタルの規模が拡大できた」と供述していたという。
グランド社は十三年六月ごろから貴金属や寝具などのマルチ商法を全国で展開、三千人以上から約百億円を集め、十四年九月に破産した。
府警は服部容疑者ら自身の利益を優先する悪質なマルチネットワーカーが被害を拡大したとみて、今回の立件に踏み切った。
(産経新聞) - 1月28日16時17分更新
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